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「バナナの皮はなぜ滑る?」

 学術研究を称える賞の中の一つにイグ・ノーベル賞というものがあります。「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞です。
 米ハーバード大学で18日に行なわれた授賞式で、北里大の馬渕教授らの研究チームが「バナナの皮はなぜ滑る?」を解明したとして、この賞の中の物理学賞を受賞しました。とかく日本人はユーモアに欠けるとか言われますが、日本人の受賞は8年連続だと言います。それを聞くとそうでも無さそうです。
 昔は、道ばたに捨ててあるバナナの皮を踏んで滑ったりしましたが、最近ではそういったこともなく忘れかけていたところにこの発表です。とても親しみを感じたところです。研究チームによると、バナナの皮の内側にゲル状物質を含んだカプセルのような組織があり、それが踏まれた圧力でつぶれ、にじみ出た液体が潤滑効果を高めることを突き止めたと言います。バナナの皮の内側を下にした皮の上から床を踏んだ場合、摩擦係数は直接床を踏んだ時の6分の1しかないそうです。「痛みのもとになる摩擦を減らす仕組みはバナナの滑りやすさと同じだが、実際に滑りやすさを測定した学術的なデータはなかった」と人工関節の研究をしている馬渕教授は研究の動機を語っています。
 バナナには責任がないことですが、最近、サッカーのサポーターにいやな使われ方をして話題を集めました。が、今回のような研究対象として使われれば本望と言ったところかもしれません。研究と言えば難しもの、研究課題をみつけるのも難しいものと考えてしまいますが、身近なところに研究課題はあるということを示した例ではないでしょうか。