2006年12月31日

大晦日を迎えて

 本年の最終日である大晦日を迎えました。大晦日の「みそか」は本来「三十日」と書き、月の三十番目の日ということですが、転じて月の最終日を指すことになりました。晦(つごもり)とは陰暦では十五日に満月となり、月末になると月が見えなくなってしまうため、月隠(つきごもり)が訛ったものです。そして一年の最後のことを「みそか」に「おお」つけて「おおみそか」「おおつごもり」というようになったようです。大晦日の夜を一年の日ごよみを除くという意味で除夜と言い、一年を締めくくり、暮れゆく年を惜しむという意味で昔から色々な行事が行なわれてきています。特に人の煩悩を取り除くために108回の除夜の鐘がつかれるのは有名ですが、何故108回なのかを先日私の友人の住職の方からお聞きしました。
 それによると、人間の感覚を司るのは、眼、耳、鼻、舌、身、意の六根。これに好(気持が良い)、悪(嫌だ)平(何も感じない)の3種類。また浄(きれい)と染(きたない)の2種類。最後に現在と未来、過去の3つ。これだけの組み合わせが6×3×2×3=108ということになるとのことです。
除夜の鐘をつく風習は中国の宋の時代に起こり、日本には鎌倉時代に伝来したと言われています。新たな思いで新年を迎えるために、今年一年の自分の行いを改めて振り返り、至らなさや愚かさをしみじみ反省しながら除夜の鐘と共に洗い流すというものです。
また、大晦日に年越しそばを食べる風習は江戸時代中期から始まったようですが、細く長く寿命、家運を伸ばすと言う意味が込められています。
 今年は本当に多くの方から暖かいご支援をいただき、心より感謝しています。明日からはいよいよ新しい年2007年を迎えます。
心新たに力強くスタートしたいものです。

2006年12月30日

日本の伝統と文化 ~御節料理

最近、デパートやコンビニで御節(おせち)料理を販売するところが増え、核家族化が進んできたこともあって、御節料理を作る家庭が少なくなってきました。御節料理はそれぞれの家庭にあって、親から子どもへと代々にわたって伝授されてきましたが、このままではどんどん廃れてしまいそうです。
御節とは本来、暦上の節目つまり季節の変わり目などにあたる節日(せつにち)節句のことを指します。節句というのは中国から伝えられた暦の上の風習ですが、移り変わる季節の節目を感じとり日本流にアレンジされたもので、現在残っているのは次の五節句、すなわち
・人日(じんじつ)1月7日 七草 ・上巳(じょうみ)3月3日 桃の節句 雛祭り ・端午(たんご)5月5日 菖蒲の節句 ・七夕(しちせき)7月7日 たなばた 星まつり ・重陽(ちょうよう)9月9日 菊の節句です。ところが、一般に祝う節句は正月のみとなったため、御節というのは正月に作られる料理のことを指すようになったのです。
御節料理の基本は、お屠蘇、祝肴三種、雑煮、煮しめですが、正月には火の神である荒神を怒らせないため、台所で火を使うことを避けるという意味から、正月料理には火を通したり、干したり、酢に漬けたり、味を濃くする等日持ちする物が多く、それぞれには縁起や願いが込められています。
田作り(たづくり) 田畑の高級肥料としての鰯を使用し豊作を願う
数の子(かずのこ) 卵の数が多いということで子孫繁栄を願う
黒豆 (くろまめ) 黒色には魔よけの力があり、まめ(勤勉)に働く
昆布巻(こぶまき) よろこぶという語呂合わせ
鯛  (たい)   めでたいという語呂合わせ
蓮根 (れんこん) 穴があいているから見通しが良くなることを願う
里芋 (さといも) 小芋がたくさんつくことから子孫繁栄を願う
鰤  (ぶり)   出世魚であり出世を願う  等です。
また、これらの料理はめでたさを重ねるという意味で重箱に詰めますが、日本各地で「塗り」や「漆器」「彫り」といった独特の工芸品として発達し今日に至っています。お正月には御節料理を囲みながら家族団欒をはかってください。

2006年12月29日

日本の伝統 ~門松と注連縄

 今年も残すところ三日になりました。「もういくつ寝るとお正月・・・」という童謡があるように、昔は子ども達にとってはお正月が来るのが待ち遠しいものでした。新しい服や靴を下ろし、お年玉をいただくのが何よりも楽しみでした。また、年末には煤払い(すすはらい)をしたり、襖や障子を張り替えたり、門松を飾ったり、御節料理を作る等お正月を迎える準備をしたものです。しかし、年々お正月らしさが失われつつあるように感じます。
 最近この校長通信を見ていただいている方が増えてきているようですが、その中に大人が子ども達にもっと〝日本のよき伝統や文化を伝える〟ことが大切であり、できれば時節に応じた記事を掲載して欲しいという意見が数多く寄せられています。丁度良い機会ですので、この休暇中には日本の伝統ということについて触れてみたいと思います。
 まず門松についてですが、平安時代に中国から伝わり、現在の様式が決まったのは室町時代と言われています。竹の先端が斜めにカットしてある「そぎ」と呼ばれるものがありますが、この風習は徳川家康が始めたようです。家康は戦上手であったと伝えられていますが、生涯唯一の敗北として知られる「三方ヶ原の戦い」(1572年)では武田信玄の騎馬軍団に完膚なきまでに叩きのめされました。この戦いの後、信玄に対して次は斬るぞという念を込めたのがこのそぎの始まりです。
 また注連縄(しめなわ)は、縄ばりを侵すという言葉があるように本来一本の縄が境界を示しており、占有・立ち入り禁止のしるしを表すものです。正月に注連縄を張るのは、家の中に悪霊を入れず穢れをぬぐい去り無病息災・家内安全を祈るものです。
 門松や注連縄を飾るのは12月29日を避け28日までか、30日が良いとされています。29日は「二重苦」、9の末日なので「苦待つ」に通じる、また31日は「一日飾り」と言って神をおろそかにするという理由です。
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節度ある休暇の過ごし方

 23日から冬休みに入り早くも6日が経過しました。冬休みになっても生徒達は登校し補習を受けたり、自習をしたり、クラブ活動に取り組んできました。このため、多くの先生方も生徒達の指導にあたってきましたが、本日(29日)より1月5日まで一斉に年末年始休暇に入ります。
 本校では長期休暇にあたって、保護者の皆さんに『生活指導についてのお願い』というプリントを配布していますが、今回の冬休みにあたっても基本的な生活習慣を崩さないよう家庭での指導をお願いしました。その上で「冬休みの生活指導」についてのご意見をいただきました。これまでの経験を振り返っても長期休暇中に生活のリズムが乱れたり、健康を害するような悪い習慣が身に付いてしまった例が散見されます。また昨今、中高生が凶悪犯罪や交通事故に巻き込まれるケースも多発しています。今後充実した学校生活を送るという観点からも節度ある長期休暇の過ごし方は極めて大切です。
 これから正月にかけては家族や親しい友人と有意義な時間を過ごす機会も多くなると思います。是非、家族で普段話せないことを話し合ったり、友人との友情の輪を広げて欲しいと思います。
最後に言うまでもないことですが、学生の本分は勉強です。今年一年を振り返ってできなかったことを洗いだし、毎日集中して学習に励んで欲しいと思っています。
 受験を控えた生徒にとってはまさに正念場ですが、健康に留意して最後まで努力を継続してください。

2006年12月27日

荘川桜の苗木

 先日、山手地区の清掃活動に参加した際、「雲雀丘山手緑化推進委員会」様からいただいた荘川桜の苗木をいただきました。この苗木は由緒ある荘川桜の実生から育てた二世桜です。
 荘川桜は、作家水上勉氏の小説「櫻守*」のモチーフになったことで知られていますが、1960年岐阜県北部の御母衣(みぼろ)ダム**建設によって湖底に沈む運命にあった照蓮寺と光輪寺の庭にあった樹齢400余年の老木を時の電源開発株式会社の初代総裁である高碕達之助氏が、「ふるさとを失う人々の心のよすがに、何とかこの桜だけでも救えないか」との思いから、当時の桜研究家の権威で「桜男」とも称された笹部新太郎博士に依頼して大移植を果たしたものです。さすがの笹部氏もこの老桜を救うのは至難の業であるということで当初は固辞されたようですが、高碕氏の熱意に押されてこの難事業を引き受け見事、移植に成功されたとのことです。
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(高崎記念館の荘川桜 10月撮影)
 笹部博士も高碕氏も雲雀丘地区と縁(ゆかり)のある方であったことから、2003年にその苗木を本校が地域清掃に参加させていただいている雲雀丘山手地区の緑化推進委員会のメンバーの手によって雲雀丘山手公園に植樹されました。そしてその由緒ある二世桜が今年見事に開花したのです。
電源開発株式会社では多くの苗木を育てて荘川桜の命を伝える運動を推進されてきていますが、今年の開花を機に緑化推進委員会ではこの運動の輪を広げていこうという取り組みを開始されました。この度本校に寄贈していただいたのはこの中の苗木の1本です。
 この桜には永い歴史を生き抜いてきた荘川桜の命が伝承されています。この命をしっかりと守り立派な大木に育てていくために年明けに関係の生徒達の手で植樹を行ないたいと思っています。

2006年12月26日

クリスマスの由来

 12月25日はクリスマス、その前日の24日はクリスマス・イブということで、大きなケーキの箱を持った多くの人達を見かけました。
 今、日本におけるクリスマスは宗教とは全く関係のない華やかなパーティーや高価なギフト・ディナーやクリスマスセールといった賑やかなお祭りになっていますが、そのルーツは古代ローマにまでさかのぼることになり、非常に宗教色の強いものであったようです。
Christmas(クリスマス)の語源はラテン語の「クリストゥス・ミサ」であり、christ(キリスト)とmas(礼拝)からきています。
 古代ローマでは冬至の日に 太陽神を崇拝する異教徒が大きな力を持ち「太陽神の誕生祭」や「農耕神への収穫祭」を行なっていましたたが、初代キリスト教の指導者達が異教徒との対立や摩擦を生むことなく、異教徒の間にキリスト教を広めるために、12月25日をクリスマスとしたと言われています。
現在、キリスト教信仰が根づいている地域ではクリスマスは祭日になっており、この前後にはクリスマス休暇をとってほとんどの人はお里帰りし、久しぶりに会った家族や友人達と家で食事をしたり、教会にお祈りに行くのが一般的になっています。
 また、クリスマスケーキもドライフルーツやナッツを入れたものが主流です。日本のクリスマスケーキは生クリームやふんだんに苺を使っていますが、これは日本独特のもののようです。
 日本はこれまで他の国の行事や文化を取り入れて日本独自の形に焼きなおしてきていますが、今日本で行なわれているさまざまな行事のルーツを知っておくことも大切です。間もなく新年を迎えますが、正月の過ごし方も随分と変化してきているようです。この機に日本本来の伝統や文化というものを見直したいと思っています。

2006年12月25日

マレーシアからの訪問者

 12月22日(金)、西宮ライオンズクラブ国際交流協会から、役員の方の同伴で2名のマレーシアの高校生が本校を訪れました。
 ポールというニックネームのMr Paul Low Kung Lingは南シナ海に面したクアラ・トレンガヌ出身であり、ジャッキーというニックネームの Mr Won Wei Jeiはタイとの国境に近いコタ・バルの出身です。共に父親がLionのメンバーであり、海外からの研修生を積極的に受け入れておられるとのことです。二人にとって日本への訪問は初めてで約一か月の滞在ということですが、この期間には新幹線に乗ったり、奈良や京都、広島を訪問したり、餅つきや茶道、書道の経験をする等極めて中身の濃いスケジュールになっています。今回は40名の生徒が一緒に来日し、それぞれ日本各地においてホームステイを行ない、日本人の生活を体験し多くの人達との交流をはかっています。日本食にもすっかり慣れ、とりわけ寿司やてんぷらは大好物とのことでした。
 本校では半日の滞在でしたが、授業収め式に参加した後、ホームルームや大掃除を一緒に行ないました。二人とも簡単な日本語は理解できるようですが、何よりも驚いたのは中国語とマレー語と英語を話すことができ、またポールについては、これまでに中国、タイ、シンガポール、オーストラリア、カナダに行ったこともあり、色々な国の事情を知っているということです。
 マレーシアはマレー人、中国人、インド人が生活を共にしているため、複数の言葉を話す人が多いようですが、日本語を理解することは将来大きなメリットになるはずです。二人が今回の経験を将来に生かしてくれることを願っています
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2006年12月22日

授業納め式

授業納め式2006.12.22.jpg タラさん修了証書授与式2006.12.22.jpg

 12月22日(金)、先日の英語暗唱大会をはじめ各種の表彰を行った後、スキャンロン・ターラさんに履修証書を手交し、本人から挨拶をしていただきました。来日するまでに勉強をしていたということもありますが、この8ヶ月の日本語の上達ぶりは目を見張るものがあり、実に流暢で素晴らしい挨拶でした。普段、彼女とあまり接していなかった中学生達が羨望のまなざしで話を聞いていたのが印象的でした。
 朝礼の後の授業納め式で 私は一年間の反省をしっかり行い、次に生かしていくこと大切さを話しました。手を開いて5本の指のうち、3本(中指・薬指・小指)を折ると親指は天を向き、人差し指は他の人や周りを指します。自分の目標が達成されないと、人は運が悪い(親指)、相手や周りが悪い(人差し指)ということを言いがちです。しかし、残る三本の指は自分の方を向いています。
 進歩や成長というものは素直に反省し、自分のいたらなかった点を修正していくという姿勢がなければ到底実現できません。また、過去のことをいつまで引きずっていても前には進みません。どのようなことをするにも困難はつきものですし、人生には絶えず予期せぬ障害が待ち受けています。
 この休みにしっかりと今年の反省を行い、新たな気持ちで信念を迎えて欲しいと思っています。

 また高校3年生にとっては、いよいよセンター試験の本番が近づいてきました。しっかりと最後のつめを行い、万全の体調で臨んで欲しいと心から願っています。

2006年12月21日

指定校・公募制推薦入試,AO入試を終えて

 本年も残り少なくなり、大学入試の前半戦である指定校・公募推薦入試、AO入試がほぼ終了し、下記のとおり合格者は総計117名となりました。
 2007年度からは「大学全入時代」と言われるように、学校を選ばなければ全員が大学に入学することができるようになりますが、難関大学・女子大学については依然として厳しい関門になっています。
 本年度、本校にも数多くの大学より在籍者を遙かに超える348の指定校の推薦枠をいただきました。
 昨今、生徒達はややもすると安易な公募制推薦や指定校推薦に走りがちですが、これでは学力向上には繋がらないばかりか、高い目標に向かってチャレンジしていくという姿勢を身につけることができません。そのため進路指導部と担任団は〝じっくり最後まで粘り強く勉強させる〟ことを目標に掲げ、一人ひとりの生徒の受験計画に迫りました。
 この結果、受験者総数は昨年に比して減少することになりましたが、慶應義塾大3名(昨年度2名)、上智大1名(0)、同志社女子大7名(4名)、大阪工大5名(1名)、甲南女子大6名(1名)、神戸女学院大9名(4名)、武庫川女子大8名(3名)、神戸薬科大4名(2名)等、昨年を上回る実績となっています。
【大学校】 ・防衛大学校 3名(1次合格者)
【私立大】 合格者数114名
・慶應義塾大   3名     ・兵庫医大    1名     ・京都外大   1名
・上智大      1名     ・京都薬科大   1名    ・関西外大   4名
・同志社大     2名     ・大阪薬科大   1名    ・大阪工大   5名
・立命館大     4名     ・神戸薬科大   4名    ・大阪芸大   3名
・関西大      9名      ・武庫川女子大 8名(薬4) ・京都精華大 1名
・関西学院大   5名      ・京都女子大   2名    ・その他    26名
・近畿大      7名      ・同志社女子大  7名
・龍谷大      1名      ・神戸女学院大  9名
・甲南大      3名      ・甲南女子大    6名
 また、合格者に対しては気を緩めることなく大学入学までに自分なりの目標を設定し学習するように指導していますが、敢えてセンター試験を受験する生徒も数多くいるようです。センター試験本番まであとわずかになりましたが、健康に留意して追い込みをしっかりやって欲しいと思っています。

2006年12月20日

日豪の架け橋

 オーストラリアからの留学生であるスキャニオン・タラさんがこの度本校での留学生活を終えて帰国するため、校長室に挨拶に来てくれたので色々とお話をしました。
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彼女は本年4月11日より本校の高校2年生と一緒に8カ月余りの学校生活を送ってきましたが、あらゆることに積極的に参加しました。通常の授業はもとより、三味線の練習をしたり、幼稚園実習を行なう等数多くの経験をしたようです。各教科の先生方からも「読み書きの日本語能力の伸びは素晴らしい。また日本文化についても優れた洞察が見られる」ということを聞いていましたが、通常の会話ができるレベルに日本語力がついており、短期間での急速な成長のあとを伺うことができました。日本人についてどのように感じるかという質問をしたところ、優しいという言葉が返ってきました。そして日本のことがすっかり気に入り、これからも日本のことを学習していきたいとの事でした。
 彼女は22日の授業納め式で履修証書を受けた後、全校生の前で挨拶し帰国することになっていますが、これからも日本とオーストラリアの友好の架け橋になって欲しいと思っています。

2006年12月18日

地域清掃への参加

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 12月17日(日)、前回(11月)の駅周辺の清掃に続き、雲雀丘山手地区の地域清掃に参加しました。
今回は朝8時半、少し肌寒い曇り空の下、生徒会のメンバー、高校剣道部・放送部の部員、教員2名の総勢25名が本校校舎の中央棟前に集合し、箒や塵取りをそれぞれ手に持ちながら隊列を成して雲雀丘山手公園へと向かいました。毎日の通学には、多くの生徒が駅から校舎へ向かうだけで、山手側へ行くことはほとんどありません。この周辺を歩くのは初めてということもあって、全員が興味津々といった様子で、道の両側に立つ立派な邸宅や眼下に広がる景観の美しさに感嘆しながら列を成して坂を登っていきました。
 午前9時過ぎ、公園に到着。既に自治会の方が準備されている中、雲雀丘山手地区緑化推進委員会委員長の篠原さんからご挨拶をいただき、その後公園の落ち葉の清掃と花の植栽のお手伝いをしました。参加した生徒達のうち、20名ほどが色々な植物の苗ポットを手に持ちながら一列に並び、苗が育った時の色合いをイメージしながら順番に篠原さんの手に1つずつ渡してゆきました。
 私は残念ながら今回参加することができませんでしたが、毎回地域との交流行事に参加いただいている先生からは「山手地区では清掃活動というよりも緑化活動に参加させていただいている印象が強いが、今回は以前植えた植物の成長が楽しみになることを感じました。子ども達の手で植えさせていただいた植物の成長と子ども達の成長がオーバーラップし、色々なことが豊かにイメージされました。まさに教員というのは生徒達の成長に関わりながらそれを見届ける仕事であるということを再認識し、今後心新たに教育活動を推進していきたい。」という話を伺いました。
 心強く感じると共にこれからもさまざまな機会を通じて地域社会との連携をはかっていきたいと思っています。

2006年12月16日

コミュニティカレッジを終えて

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 12月16日(土)、第9回のコミュニティカレッジを開催しました。コミュニティカレッジは現在県内の29の高校(公立21校、私立8校)で開講しており、本校では、本年9月から地域の人々によって創設された雲雀丘学園の創立の精神を振り返り、雲雀丘周辺の地域について地域住民とともに考えていくという趣旨で『地域に学ぶ・・・雲雀丘講座』をスタートさせました。学習は原則として隔週の土曜日に2~3時間、総計20時間にわたり、雲雀丘の歴史、考古学、自然・地形・地層、鉄道と宝塚といったテーマで本校の教員が講師となって学習を続けてきました。今回が講座の最終回にあたるため『これからの雲雀丘』というテーマで3つのグループに分かれて意見交換をしていただきました。私も一つのグループに出席しましたが、受講者からは「自分達が住む地域のことが解って大変勉強になった」「愛国心ということよりもまず地域を愛するという気持ちが大切だと思う」「先生達の熱意が伝わってきた」「是非来年も続けて欲しい」等の活発な意見が出されました。
 今回のコミュニティカレッジを通じて、講師である教員が知らなかったことを参加者の皆さんから逆に教えてもらうことも多かったようです。また、本校の「放送部」が受講生、講師に取材活動し『○○歳のヒバリ生』と題する作品を制作し、本年度の「兵庫県高校総合文化祭」にも出品しました。更に受講者の皆さんには文化祭や文化政策委員会主催の講演にも参加いただきました。
 最後に私から最終まで受講された36名の皆さんに終了証書をお渡ししました。今回の取り組みを通じてこれまで以上に地域と学校との連携も深まったように感じました。
 なお、明日は生徒の有志が地域の清掃活動に参加する予定です。これからもさまざまな活動を通じて地域社会とのしっかりとした繋がりを持つ学校づくりを進めていきたいと思っています。

2006年12月14日

ニュージーランド比較文化研修にあたって

変換 ~ NZ最終説明会 001.jpg 変換 ~ NZ最終説明会 004.jpg 12月14日(木)、ニュージーランド比較文化研修にあたっての最終の保護者説明会を開催しました。この研修はワイカト大学が運営するLanguage Instituteのホームステイ・プログラムを活用してニュージーランドの家族と一緒に生活し、互いの国の文化、習慣、考え方の違いを実際に体験することで、相互の理解を深めることを狙いとしています。
 今回は12回目ということで、国際科の高校2年生16名が来年の1月12日から3月18日までの9週間の予定で参加することになっています。説明会には生徒と保護者が出席し、熱心に研修にあたっての留意点に耳を傾けていました。
 私は冒頭の挨拶で自分自身の体験も含めてニュージーランドのことを紹介すると共に〝日本の常識は世界の非常識ということがあるが、今回の研修は外から日本を見る絶好のチャンスである。日本での生活と異なることがたくさんあるが、「違う」ということを理解することによって共生という思想が芽生えてくる。また、親元を離れて生活することによって自主性が生まれ、親の有り難さがわかるようになる。ほとんど日本語を使うことなく生活するため当然のことながら英語の力が身に付くことになる。いずれにしても、今後益々グローバル化が進展する中で、この研修は貴重な経験になるのは間違いがない。どうか実りある研修になるようにして欲しい。〟という旨の話をしました。
 出発まで1カ月足らずになりましたが、生徒達一人ひとりが健康に十分留意してしっかりと準備を整えて研修に臨んで欲しいと思っています。

2006年12月13日

中学英語暗唱大会

 12月12日(火)、中学生の部の英語暗唱大会が行われました。この大会は、今年で35回目になる本校の伝統行事の一つであり、中学生全員が本大会に備えて後期の授業開始時あるいはそれ以前から、それぞれの学年の指定する課題に約2ヶ月もの間取り組んできました。本年は、中学1年生9名、中学2年生8名、中学3年生12名の計29人が代表となり発表しました。生徒にとっては、およそ600人もの大勢の聴衆の前で、しかも英語で発表することなどめったにあることではありません。緊張するのは当然ですが、一人ひとりが身振り、手振りをまじえながら緊張を感じさせないほどに素晴らしい発表を行ないました。それぞれにこれまで何度も繰り返し練習を積んで来た努力の跡が感じられ、この経験の中で鍛えられた精神力、そして培った学習の習慣は、今後の生徒の成長を必ずや後押ししてくれるものと確信しました。
 〝学ぶことは真似(まね)ぶこと〟という言葉がありますが、暗唱はまず先生の真似をすることから始まります。そのステップを経て自分のスタイルへ練り直し、更にそれを大勢の前で発表するまでに仕上げていくのは、並大抵のことではありません。この大会で発表をしたのは代表者ですが、事前の選考会においては、中学生全員がクラス全員の前で発表をしています。このため発表者の緊張を聞き手も一身に感じ、まさに発表者と鑑賞者とが一体となった大会となりました。毎日の絶え間ない練習がこのような大きな成果に結び付けられることを全員が学んだのではないかと思っています。
 私は最後の講評で、反復練習の大切さと国際化が進む中で英語の力をしっかりと磨いていって欲しいということを話しました。今回の経験を踏まえて生徒達が今後一層飛躍してくれることを願っています。
 なお、本大会の結果は、今月22日の授業最終日に発表し表彰する予定です。

2006年12月12日

職業人に学ぶ

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 12月12日(火)の5限と6限に高校一年生を対象に『職業人に学ぶ』というテーマでの進路学習を実施しました。この催しは例年この時期に、社会のさまざまな分野で活躍されている方々に、それぞれの仕事の内容や体験を語っていただく事になっており、今回は下記の17名の職業の方に講師をお願いしました。内訳は宝塚武庫川ロータリー 9名 、保護者 4名、卒業生 4名です。
  弁護士 、
  建築・設計士(建築設計室 代表)、
  コンピュータービジネス 代表
  テニスコーチ(企画マネージャー)
  舞台美術家(歌劇団 幹事)
  ホテル宴会部 支配人
  管理栄養士(病院 栄養部室長)
  理学療法士(病院 リハビリテーション室長)
  薬剤師
  司法書士
  医学部保健学科 助教授
  航空機使用事業 機長
  税理士 
  新聞編集局・編集制作
  フリーアナウンサー・キャリアカウンセラー
  社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー
  幼稚園教諭
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 折角の機会ですので、5時限と6時限で受講者を入れ替え2回講演いただくことにしました。各講演共最初に30分から40分お話をいただき、その後質疑応答という形をとりましたが、生徒達は熱心に耳を傾けていました。終了後何人かの生徒達から感想を聞きましたが、「自分達の知らない仕事がまだまだたくさんあるように感じた」「仕事の厳しさが解った」「将来やりたい仕事を見つけていきたい」といった答えが返ってきました。生徒達は今回の講演を通じて普段の授業では体験できない多くのことを学んだようです。
 自分なりのしっかりとした目標を持つことができれば、学習に対する意欲も向上してくるのではないかと思っています。これからもこういったキャリア教育の充実に努めていきたいと考えています。  

2006年12月10日

新しい学校づくり  ~③業務を見直す

 現在、本校では新しい学校づくりにあたってやるべき課題を明確にし、具体的な業務に落とし込む作業を行なっていますが、人間教育の充実や学力の向上をはかるためには新たな業務が大幅に増加することになります。
 しかし、現在やっていることをそのまま継続して新しいことをやろうとすると「人がいない」「時間がない」「予算がない」といったできない理由が先行しがちです。新しいことをやるためには推進体制の強化をはかっていかなければなりませんが、単に人員を増やせば解決するというものではありません。今やっていることをそのままにして新たなことをやろうとすると、どうしても業務量が増え総花的で中途半端な取り組みになってしまいます。その結果「労多くして功少なし」ということになり、高い教育効果が得られないという恐れがあります。
 そのため、原点に戻って〝生徒を育てるために何をすべきか〟という視点ですべての業務の見直しを行ない、来年度以降の教育計画に反映していくということにしました。具体的には新しい業務を始める一方で、各分掌、各学年、各教科において「やめる」「減らす」「まとめる」「標準化する」「ならす」という切り口で現行業務の改善提案をしてもらいました。現在これらを集約していますが数多くの有効な提案が含まれています。これからすべての業務を「重要度」「緊急度」「業務量」という観点で「新規にやるもの」「改善するもの」「やめるもの」という三つに分類し、来年度の計画の中に取り入れていきたいと考えています。

2006年12月08日

米作りが育てた日本人の心

 今週の全校朝礼において、日本民族というテーマで話をしました。近年、急速にグローバル化が進み、さまざまな国の人達と接触する機会が増えてきました。本校においても現在5名の留学生を受け入れていますし、毎年何人かの生徒達はニュージーランドやオーストラリア、カナダ等に研修に行っています。外国の方からはよく「日本はどういう国ですか」とか「日本人はどういう民族ですか」といった質問が出されますが、特に日本人ということに関しては明確に答えることができないことが多いようです。しかし、日本のことを理解してもらうためにはしっかりとPRしていくことが大切です。
 日本人を語る時には色々な切り口がありますが、日本人の生き方や日本文化は米抜きでは考えられませんし、日本人の民族性や祭り、生活様式、芸術等の多くが米と関係が深いのです。このように日本人の特徴は米作りを中心とした農耕民族であり、その根底には〝和〟の精神が脈々と流れています。
米の特徴は連作が可能であり、生育のためには大量の水が必要であるため、温暖で降水量の多い日本の気候には適していました。この結果、何代にもわたって同じ土地に住むようになりましたが、先祖代々にわたって生活するとその土地に対する強い愛着が生じますし、先祖以来の知り合い、血縁、地縁による強い結びつきを持つようになります。また、開墾や灌漑等は個人労働では無理ですし、田植えや刈り入れ等は集団で行なうことで大きなメリットが得られます。一方、病虫害を発生させると自分だけではなく他人に大きな迷惑をかけることになります。
 このように我々日本人は米作りを通じて、勤勉性、団結心、協調性、合議、迷惑をかけない意識、気配り、思いやり等を身につけてきたのです。
 現在、国際社会は混迷が続いていますが、我々日本人が永い年月をかけて培ってきた和の精神に誇りを持ち、世界の平和と発展に尽くしていきたいものです。

2006年12月07日

A・O、公募推薦入試を終えて

 昼休みに「先生、合格しました。有り難うございます。」と満面に笑みをたたえながら上智大学への合格を果たした生徒が校長室に報告に来てくれました。今年のAOと公募推薦入試は慶應義塾大学への三名の合格者を皮切りに、最後の締めくくりは上智大学への合格ということになりました。
これで入試結果が出そろいましたが、受験生のほぼ半数にあたる以下の15名が合格ということになりました。
  1 慶應義塾   総合政策学部  総合政策学科 
  2 慶應義塾   総合政策学部  総合政策学科
  3 慶應義塾   環境情報学部  環境情報学科
  4 上智      観光学部     交流文化学科
  5 関西学院   総合政策学部  総合政策学科
  6 関西      環境都市学部  エネルギー学科
  7 神戸女学院  文学部       総合文化学科
  8 神戸女学院  文学部       総合文化学科
  9 神戸女学院  文学部       総合文化学科
 10 立命館    理工学部      電子光情報工学科
 11 京都精華   人文学部      社会メディア学科
 12 英知      文学部       人間学科
 13 甲南女子   人間科学学部   総合子ども学科
 14 松蔭女子   人間科学学部   生活学科
 15 聖和      人文学部      キリスト学科
 本校におけるA・O入試対策としては、高校1・2年の2年間、朝礼前の読書タイムを利用して新聞記事の切り抜きを読ませたり、夏休みや冬休みを利用して自分の進路に関係した記事を切り抜かせ自分の考えをまとめさせたり、ロングホームルームでのスピーチ・コンテストやディベート、授業を通じてのプレゼンテーション、高校2年生の後半からは希望者を対象とした週一回の放課後90分間のディベート、小論文対策講座を実施する等さまざまな取り組みを実施してきました。
 昨今、それぞれの大学において入試制度が大きく変わり、AOや公募推薦のウェイトも年々大きくなってきています。今回取り組んできたことの反省を踏まえ、来年度以降の受験に生かしていきたいと考えています。 

2006年12月06日

留学を実りあるものに

 間もなくオーストラリアとニュージーランドの高校に留学する5名の生徒達の面接を行ないました。
 彼らはこれまで英語力テスト(SLEP)や面接試験を経て留学プログラムに合格した後、JFIE日本国際交流振興会の松本先生から留学の心構えなどの講義を受ける等準備を重ねてきました。
全員に留学に関する思いを質問しましたが、それぞれが留学にあたってしっかりとした自分なりの考えを持っており、心強く感じました。私からは日本では当たり前のことが世界ではそうではないということが数多くある。宗教、文化、生活慣習等異質のものを受け入れる『共生』という気持が大切である。海外留学は外から日本を客観的に見る絶好の機会であり、これからグローバル化が更に進む事を考えると今回の留学が人生の中で貴重な経験になるのは間違いがない。この期間中に是非将来の自分の夢を大きく育てて欲しい。また、日本人を代表しているという気持で、日本の良さをしっかりと相手の国の人に伝えて欲しいということを話しました。
一年後には、生徒達がさまざまな体験を経て逞しく成長し、帰国してくれるとことでしょう。
今回の海外留学が一人ひとりにとって実りあるものになることを心より願っています。
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2006年12月05日

研究授業を参観して

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 12月5日(火)4時限目、体育館で行なわれた保健体育科の研究授業を見学しました。
 対象は中学三年の男子生徒25名で、授業の内容はバスケットボールです。単元の目標は〝球技の特性を生かしてチームのメンバー同士が協力し、授業に参加している全員が「楽しい」と思える授業、かつお互い安全に留意しながら学習できるようにさせる〟というものです。
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 バスケットボールの授業の総時間数はわずか4時間しかなく、本日は二時間目ということなのでどれだけ密度の高い授業ができるのかを興味深く見せていただきました。前回の授業の内容を復習させ、更なるレベルアップをはかる。続いてゲームに必要なパスの基本を徹底させる。その上で対人プレーを習得させ、最後に少人数によるミニゲームを体験させる等さまざまな工夫が盛り込まれていました。また、生徒の安全を第一に、最初の15分間は準備体操やストレッチを十分に行ないパスは突き指を防ぐためにアンダーパスに限定する等の配慮もされていました。
 本日の授業を通じて何よりも感心したのは生徒達の授業の始まりや集合といった際の規律ある行動です。この研究授業は年1回、教科毎に実施されていますが、各先生が感じたことを持ち寄って今後の授業の改善に繋げていくことになっています。今回の見学者は同じ保健体育科の先生方でしたが、他教科の先生が見学されても参考になる面が数多くあるように感じました。このような機会を通じてお互いに授業を磨くという風土を醸成していきたいと思っています。
(写真は高1の授業風景です。) 

2006年12月04日

新しい学校づくり ~②職種の壁を取り除く

 現在、本校には校長、教頭、教諭、常勤講師、非常勤講師、実習助手、事務長、事務員、校務員等さまざまな職種の人が働いていますが、職種間の交流はほとんどありません。また、学校の永い歴史の中でこれらの職種間には、それぞれ暗黙の業務分担が出来上がってきており、学校改革に伴って新たな課題が生じてきても従来どおりの仕事のやり方をそのまま踏襲していく傾向があります。
 学校を大きく変えていくためには、新しいことに次々と取り組んでいくことが不可欠ですが、現行の業務をそのままにして、新しいことをやろうとすると確実に全体の業務量が増えることになるため、進んで仕事を引き受ける人は出てきません。この結果、必要な仕事にもかかわらず人がいないという理由でやめてしまうということになりがちです。これでは目指すべき学校づくりはできません。
 本校では来年度からの新たな取り組みをスタートさせるのを機に、思い切って「トータル的な業務の見直し」を行なうと共に「業務を再配分」していきたいと考えています。そのためにはそれぞれの職種の人の勤務実態をしっかりと把握しておく、言い換えると年間を通じて「どの時期に」 「何を」 「どれくらいの時間をかけて」行なっているかを把握しておく必要があります。
 すべての職種の人達が自分の仕事の範囲を決めつけず、〝学校は子ども達を育てるところであり、全員で取り組んでいく〟という基本の考え方に立ち、その中で各人が何をすべきなのかを認識していかなければ良い学校づくりはできないと思っています。
 先生にとっては子ども達と接する時間の質と量を高めることが何よりも大切です。そのために現在の仕事を洗い出し、先生にしかできない仕事に集中できる体制づくりの検討を進めています。

2006年12月02日

本年最後の入試説明会

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 12月2日(土)午後から、高等学校の入試説明会を開催しました。これまで中学校は既に3回の説明会が終了、高等学校は3回目となる今回が最後の説明会です。いよいよ入試までは残り二か月、最終の受験校を絞り込む時期になっているためか、本日も生徒、保護者合わせて480名、369組の皆さんにお越しいただきました。これまでの累計でも中学校、高等学校共、昨年を大幅に上回る結果になりましたが、今年は大阪府の学区再編等の影響もあり、例年以上に進学に対する関心は高いようです。
 今回は前2回とは若干趣向を変えて、本校の生徒に手伝っていただきました。
 既に大学進学が内定した3年生による受付や学校案内、開会前の1年生のギター・マンドリン部員による演奏、放送部員による学校案内、剣道部員による実技を交えたクラブ紹介等は好評だったようです。私は冒頭の挨拶で、「10年後や20年後の世界や日本がどのようになっているのか、世の中が大きく変化する中にあって新しい技術革新が起こり、これまでになかった仕組みやシステムが創出され、さまざまな高度な仕事が生まれてくる。このような仕事をやるには高い学力が必要である。また世の中で活躍していくためには凡事徹底が何よりも大切であり、本校としては家庭と連携のもと人間教育の充実と学力の向上の両立をはかっていきたい」という内容の話をしました。
 受験生の皆さん!
 受験までの日数はどんどん少なくなってきますが、あせらずにこれまでやってきたことを着実に見直すようにしてください。そして今は人生における節づくりの絶好の機会であると前向きに考えて取り組んでください。
 来年の4月に皆さんとお会いできることを心より願っています。

2006年12月01日

新しい学校づくり  ~①はじめに

 本校は来年度〝生徒に対するきめ細かい進路実現〟をはかるため新たにコース制の導入やカリキュラムの見直しを決定しました。この考え方については学年集会や学級懇談会を通じて保護者に説明したり、入試説明会において入学を希望される皆さんにお話しています。またホームページを活用して既に『校長通信』欄(8月5日~19日)に10回にわたり掲載しています。
 しかし、基本の方向は決まっても実効をあげるためには具体的な取り組みに落とし込むことが必要です。本年度も残すところ4か月になり、目下日常の教育活動に注力すると共に来年度に向けての活動の検討を開始しています。
 私も民間企業から教育界に転進した際、「先生は夏休みがあって良いですね」という声がある反面、多くの方から「学校は本当に大変でしょう」ということを言われました。実際、先生の仕事は単に授業をすることだけではありません。
 生徒に対する挨拶や服装、身だしなみ、規則を守るといった生活指導、より良い授業のための教材研究、テストの作成や採点、体育大会や文化祭、修学旅行の準備、部活動の指導、広報活動等さまざまな仕事があります。休暇という点をとらまえても生徒にとっては夏休みですが、先生にとっては通常の勤務なのです。このように年間を通して種々雑多な仕事が次から次へと発生し、これを処理するだけでも大変な状況なのです。しかもこの上に来年度以降は毎週土曜日も授業を行なうことになるため、現状のままでは先生方の負担は確実に増大することになります。このため、先生しかできないことをやる、言い換えると生徒の育成という視点に立って仕事を見直すということが不可欠です。
 これから本校が取り組もうとしている内容をシリーズでお伝えしていこうと思っています。