Academic Summer in 鳥取大学(医学部)3日目
発表会の当日の朝のようすです。教えてもらったことを上手く伝えるためにぎりぎりまで原稿を推敲し,学部生や院生に相談し,パワーポイントを作り直し,発表の練習をしていました。
久郷先生のところで「蛍光 in situ ハイブリダイゼーション」を体験したグループ。鳥取に来るまではセントラルドグマも知らなかった中学3年生も,遺伝子の発現機構を理解して,染色体のどこに目的の配列があるのかを検索する手法を説明してくれました。
畠先生のところで「神経細胞の観察」を体験したグループ。スライドは海馬を撮影した写真で,抑制性の神経細胞をGFPで標識したことで,赤く染められた興奮性の神経細胞と,緑色に発色している抑制性の神経細胞を染め分けているようです。
三浦先生のところで「がん細胞の解析」を体験したグループ。miRNAによってがん細胞を正常に戻すことができる可能性があることや,センチュウを使ってがん細胞を検出する技術が確立しつつあることなど,最先端のがん研究について発表してくれました。
中本先生のところで「細菌の検出や同定」を体験したグループ。グラム染色や芽胞染色など,細菌検査を実際におこない,その染色のしくみについても説明してくれました。水や石鹸で手洗いすると常在菌が毛根から出てきてしまうので,培地にスタンプするとコロニー数が増加するのは意外でした。
最後は医学科健康政策医学の大西先生のところで「PM2.5やマスクの効果」を体験したグループ。これまでのブログで紹介できなかったのは,このグループが屋外で活動していたからです。大学周辺だけではなく,大山まで足を伸ばして,PM2.5の測定をしていました。発表者が手にしているのはガスマスクで,一般的なマスクと対比するために用意していました。マスクが顔にフィットしていないと効果がないことを調べて,発表してくれました。
生徒たちは素晴らしい3日間を過ごせたようです。すぐに学校の成績に反映するわけではありませんが,本物の学問に触れて体験できたことは,今後の進路を考えていく中で大きな意味を持つことと思います。指導してくださった大学の先生や院生,学部生との別れができなくて,写真を撮った後もなかなか動いてくれず,もう少しで帰りのバスに乗り遅れるくらいでした。ご指導いただいた鳥取大学のみなさまには感謝しております。ありがとうございました。