模試を受ける意味
定期考査はできるのに,模試になるとできないという子がいる。
高1の段階ぐらいでは模試と言えどまだ範囲も狭いし,時々当たる場合もあって,たまに偏差値が上がる場合がある。ところが,高2後半,あるいは高3ぐらいでは,はっきり差がついてしまう。
こうなると,問題は深刻である。初めてそれに気づき,慌て,応用力をつけるために問題を数多く解こうとする。でも,結局は時間も限られ,対処療法的なことしかできず,なかなか成果が出てこないままになる。
原因は,原理や法則性をきちんと理解してないことにある。法則性と言っても,理系教科に限らない。文系教科にもちゃんと法則性がある。ここを蔑(ないがし)ろにして,問題ばかり練習しているケースが多い。別の言い方をすれば,「解き方を憶える」自己チューの勉強なのである。
典型的な例がこれだ。
「速さ=距離÷時間」,「距離=速さ×時間」,「時間=距離÷速さ」をこんな道具で憶えて解こうとする。これを使う人は,「単位時間当たり」の量であるという原理理解が飛んでしまっている。
だから,決められた範囲で,しかも出る問題も予想がつく定期考査では点が取れる。ところが,模試では,解き方にあった問題が出ることもあるが,対処できない問題のほうが段々増えてくる。なかなか偏差値が上がらないのはこういうサイクルだからだ。
そろそろ,自己チュー(我流)な勉強は止めよう。我流ではある程度はうまくなるが,それ以上は伸びない。止めて,マイスター(師匠)の勉強の仕方をマネしよう。まずはマネして,頭をマイスターに同調させることからはじめよう。
*マイスター 教科書。先生。解答・解説を書いた人等。
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【配布物】ありません。
【連 絡】特にありません。