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「二百十日」

 「『おい。いるか』「いる。何か考えついたかい』『いいや。山の模様はどうだい』『だんだん荒れるばかりだよ』『今日は何日だっけかね』『今日は九月二日さ』『ことによると二百十日かも知れないね』 会話はまた切れる。二百十日の風と雨と煙りは満目の草を埋め尽くして、一丁先は靡く姿さえ、判然と見えぬようになった」。夏目漱石の小説「二百十日」の一節です。
 「二百十日」は雑節の一つ、「立春」から数えて210日目の9月1日頃になります。この時期はイネが開花・結実する大切な時ですが、台風が襲来して農作物が被害を受けることがよくあり、先人の知恵や経験から厄日とされ警戒を呼びかけているものです。台風襲来の特異日とされているとともに、1923年9月1日に発生した関東大震災にちなんで「防災の日」に制定されています。この日にあわせたかのように、昨夜からきょうにかけ台風15号が接近、温帯低気圧に変わったものの前線を刺激し各地で大雨の被害をもたらしています。「備えあれば患なし」なのですが、最近の現象は今までの経験や予想を遥かに超えるような事態になっているので「備え」が大変です。地震・津波や台風などの自然現象に対する「備え」が大変なのはわかりますが、人災による被害を抑える「備え」は万全にしたいものです。