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推薦・一般入試をどう乗り切るか(その1)

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 指定校推薦入試受験者の決定,センター入試の出願,公募制推薦入試の出願と,高校3年生にとって,否応なしに大学が間近に迫ってきました。
 こういう時期には,つい自分を見失ってしまいがちになるものです。来年の4月,大学に通い始めて,後悔することのないように,自分自身の性格・自分の学力を考え合わせて,受験にのぞみましょう。


caution2.jpg 私立大学公募制推薦入試を受験する前に・・・

 
(1) 第1志望の大学(学部)で推薦入試が実施されるなら,受験することを考えましょう。
 ただし,その時に考慮しなければならないのは,募集人数と受験科目です。大学によって,募集人数の5割以上を推薦入試で募集している所もあれば,1割の所もあります。割合が低ければ,当然難しいわけです。この2~3年,受験人口の減少によって,どの大学も毎年のように募集方法が検討され,変更してきています。昨年に比べて,推薦入試の募集枠を広げている大学は,狙い目かもしれません。
 推薦入試の受験科目は,さまざまです。科目入試もあれば,小論文,芸術関係の学部では実技のみという場合もあります。高等学校での成績(評定平均値)やクラブ・生徒会活動などの評価の方法,また資格(英検・漢検)の点数化についても各大学独自に基準が設けられています。
 自分自身の評定平均値・得意科目・資格などすべてを考慮した上で,昨年度の推薦入試の合格最低点を見てみましょう。とどきそうなら,ぜひ,推薦入試から受けることを勧めます。


(2) 第2・第3志望の大学の推薦入試(併願)を受験しようと考えているみなさんに・・・
 まず,自分自身の性格を考えてみましょう。
 『合格』できたことで,安心して,第1志望を目指して猪突猛進できるタイプ?それとも,
 『合格』できたら,ホッとして,気が抜けてしまって,もうこの大学でいいと思うタイプ?


私たちがみている例では,後者の「ホッとしてしまうタイプ」の人が圧倒的に多いです。それと,『合格』すると,やはり入学手続きということになって学費を納めます。その大学に入学しない場合でも,入学金(30~40万円)だけは返却されないことが多いので,それもつらいところです。
 上記の二つのタイプについて,先輩たちの具体例をみましょう。


wildboar.jpg猪突猛進タイプ

○Case1-A君(第1志望-関学または関大・経済)
推薦・近畿大・経営2回○ → 龍谷・経済× → 甲南・経済× → 関大・経済○
  A君は,9月の模試の結果が7月の模試に比べて悪く,偏差値は50以下でした。第1志望の関学・関大ともにE判定でした。浪人はしたくなかったので,推薦入試で近畿大の経営を2学科受験し,1学科に合格しました。それからは,一般入試に向けて猪突猛進。関大の経済に合格しました。


lookatme.jpg ほっと安心タイプ
○Case2-Bさん(第1志望-関学・社)
推薦・同志社女子・学芸○ → 一般入試受験せず

Bさんは推薦入試(併願)で同志社女子大(学芸)を受験。その時点では,同女大は押さえのつもりで,第1志望は関 学(社)でした。9月の模試で関学の判定はC。でも,同女大に合格してしまうと気が抜けて,結局,一般入試はまったく受験しませんでした。同じように受験計画をたてていた友人が,9月の模試では,E判定だった関学に合格して,ちょっぴり後悔してます。

☆推薦入試で『不合格』・一般入試で『合格』の例
○Case3-Cさん(第1志望-関大)
推薦・同女・現代社会午前×・午後○ → 関大・文×・法○・商○

 Cさんは同志社女子大の推薦入試を2回受験しましたが,不合格でした。クラブ中心で夏まで全く勉強していなかったので,模試の偏差値も45以下で,大学の判定はオールEでした。一般入試で「必ずリベンジする」と誓い,がむしゃらに勉強しました。一般入試の結果は,同女大(現代社会)は2回受験で,合格1・不合格1。関大は法・商に合格,関大生になりました。

   
○Case4-D君(第1志望-関学)
推薦・近大・理工× → 近大・理工× → 大工大× → 関学・理工○

 D君は近畿大(理工)の推薦入試で不合格でした。元来からのんびりしていたので,不合格になってやっと,自分が受験生であるという現実を認識し,そこから猛烈な勢いで勉強しました。9月の模試の偏差値は45以下でした。一般前期で近大(理工)・大工大(工)・関学(理工)と受験して,関学に合格しました。(つづく)