学校ブログ

校長通信

ヤマアラシのジレンマ 第85号

2021/12/30

学校経営

冬休みに入りましたが、ブログにもありますとおり、講習や共通テストプレテスト、部活動と続いておりました。本日は静かな学校です。年末寒波で風も強く、寒い年越しお正月となりそうです。風邪などめされぬよう気をつけてください。この1年、ご支援をいただきありがとうございました。みなさまお年をお迎えください。


「ヤマアラシのジレンマ」という言葉をご存じですか?寒さにふるえる2匹のヤマアラシが互いに寄り添おうにも、針のトゲでお互いの体を傷つけ合ってしまうため近づくことができません。離れてみるとまた寒くて耐えられず、何度も近づいたり離れたりしながら、やがてお互いを傷つけない適度な距離に落ち着くを見つけ出す、という状況をたとえた心理学の言葉です。

みなさんの中にも人間関係で「近づきたいが近づき過ぎたくない」「離れたいが離れ過ぎたくない」という2種類のジレンマを経験された人もあるかもしれません。仲良くなるためには距離を縮める必要がありますが、踏み込みすぎると傷つけることもあります。学校でもこのような経験の中に気づきが生まれ、「ほどよい距離」を学んでいきます。

コロナ禍の下、3密を避け「ソーシャルディスタンス」という”適度な距離”を保つことをどの場面でも考えることになりました。マスク、黙食、ついたて、グー(ひじ)タッチ、オンライン、無観客なども標準になりました。学校現場では生徒間や先生との間に大事なものを失っていないかと自問自答することもしばしばで現代版の「ヤマアラシのジレンマ」のような気がします。

「親しき仲にも礼儀あり」は親しいからこそ言えるのであって、生徒たちには学校で「ほどよい距離感」の探り方、作り方を学んでほしいと思います。今回の宿泊行事で、生徒や先生の声の中に「初めてマスク無しの顔を見た」とありました。人と人とのコミュニケーションはただでさえ難しいものですが、来年も、学校教育活動において、感染対策とほどよい距離を保ちながら、皆で知恵を出し合い、心温め合える関係を築いていきたいと思います。

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