
高1学年通信(70期生)
青春
2025/08/09
夏休みも残すところ12日となりました。
毎日のように部活動に出ていたり、探究プロジェクトに参加したり、海外研修に参加した人、合宿や遠征があった人もいましたね。充実した時間となったことでしょう。
特別な何かをしなくても、家でゆっくり読書をしたり、学習したり、友達と遊んだり。
学校がある日々とは違う、ゆとりのある時間を楽しむのも夏休みだからこそ。
まさに”青春”ですね。
いずれにしても、今みなさんが安心して青春できているのは、日本が戦争をしていないからです。
戦後80年。みなさんの中には戦争を体験された方が身近におらず、直接戦争の話をきいたことがないという人も多いと思います。
それは80年間、戦争がなく平和だったからであり、とても幸せなことです。しかしその「平和」は決して当たり前ではなく、これからも我々が不断の努力により、守り続けていかなければいけないものであるということを忘れてはなりません。
わたしが一番きれいだったとき 茨木のり子
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
ね
確かな知性とやわらかな感性を持ち、自分や近くの人だけでなく、あらゆる人の幸せを願うことのできる、優しい想像力を身につけてほしい。
思いっきり青春してください。みなさんがそうして身につけたものが平和な未来を作るのだと信じています。