2017年08月18日

雑感・高校野球

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東京は8月に入って15日間連続の雨となりました。気温も低い日が続いています。これはオホーツク海高気圧の勢力が強く、そこから噴き出してくる冷気が影響しているそうです。平成5年もこのような天候だったと新聞記事が伝えていました。思い起こせば、当時私は東京で営業の第一線で走り回っていましたが、まさに今年のような天気が続き、冷害で世の中はコメ不足に陥りました。コメを確保したものが流通を制するとまで言われ、市場が大混乱したことを思い出します。

さて夏休みも終盤を迎えました。私事で恐縮ですが、この夏休みには大変うれしいことがありました。それはわが母校県立彦根東高校が甲子園に出場したことです。そしてなんと、開会式直後の第一試合で長崎代表の波佐見高校を破ったのです。それも9回裏のサヨナラ逆転でした。劇的な勝利に真っ赤な応援スタンドは大きく揺れ、甲子園初勝利に4千人の赤備えの大応援団は大いに沸きました。
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彦根東も強いチームではありませんでした。私が高校生の頃、半世紀も前ですが、応援団を結成して球場に駆けつけても決勝まで勝ち残ることはありませんでした。悔し涙の毎年でした。それが3年前の「21世紀枠」でセンバツに出場してから流れが変わりました。彦根東で野球をやりたいという生徒が集まりだしました。本学園も雲雀丘学園で野球をやりたいという魅力を作らねばと思います。

私の今年の甲子園は7月14日に始まりました。この日2つの試合がありました。雲雀丘学園対尼崎西高校と彦根東対彦根工です。当然私は雲雀丘学園の応援に淡路球場に行きました。残念ながら雲雀丘は敗れました。試合後私は涙を流す選手に「勝つことよりも負けて得ることがもっと大きい。この日のことを忘れずにこれから精いっぱい生きていってほしい」と月並みなことですがねぎらいました。目を真っ赤にして涙する選手を前にそれ以上は言えませんでした。高校野球は勝つことが目的ではありません。野球を通じて人間性を高めていくものです。ただし全力で戦ったか、懸命に努力したかは大切ですが。

余談になります。私は勝利至上主義ではありませんが、学園野球部にはせめて2回戦ぐらいまではで行ってほしいとお願いしてきました。生徒にではありません。野球部部長や監督の先生に対してです。今までは「うちは部員も少なく、進学校なので」ということでやんわり話をそらされましたが私が「彦根東も部員は少ないし進学校だ。グランドは雲雀の半分くらいだ」と何度も言うのでそれはなくなりました。

ただし心配はありました。彦根東も初戦、9回逆転で勝ちこそしましたが、中盤は押され、そのままずるずると負けてしまったら・・・・。2回戦も終盤には気迫を見せましたがそれまでは不甲斐ない戦いでした。
このまま負けたら部長や監督からどう思われるかです。日ごろから監督に「点数で負けても心意気では勝て」と叱咤激励をしています。このことは応援の最中、常に頭をよぎっていました。彦根東はギリギリのところで「赤鬼魂」の本領を発揮し、心意気を見せてくれたと思います。これから秋の大会が始まり、春の大会そして来年の夏を迎えます。これからも目を離すことはできません。(2017.8.17)

2017年08月04日

英語教育の充実

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雲雀丘学園も夏休みに入り2週間が過ぎました。暑さもピークを迎え、外に出るのがつらい、まさに「大暑」の候です。今日は「サントリーサンバーズ」が雲雀丘学園にバレーボールの指導に来てくれました。この時期恒例の行事です。今年は日頃から仲よくしていただいている光が丘中学校バレーボール部と本学園の中高のバレーボール部が一緒に行いました。日本を代表する選手から直接指導を受けるので生徒は緊張と同時にうれしさがいっぱいです。日頃の練習よりずっと笑顔が多いように思いました。
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20170804-3.jpgさて学園ではこの夏休みを利用して英語の海外研修が企画されています。中学校は7月22日からカナダのプリンスエドワード島(PEI)で11日間、高校も同じく7月21日からニュージーランドで23日間、小学校は今月16日からニュージーランドで9日間の実施です。小学校は今年が初めてです。また海外には行きませんが幼稚園(雲雀丘学園幼稚園)の年長、小学校1年生には学園内で英会話の夏休みの特別プランが実施されています。

20170804-4.jpg私は中学生のPEIの語学研修に同行しました。この研修は今年で14回目の伝統あるものです。PEIはカナダ東海岸に浮かぶ小さな島。豊かな緑と赤土の大地に彩られた自然がひろがり「世界で一番美しい島」とも言われています。小説「赤毛のアン」の舞台ともなったこの島は夏のシーズンともなると毎年、14万人の街に200万人が観光や避暑に訪れるとのことです。

生徒たちはここで1週間ホームスティし、まさに英語漬けの生活を送ります。日本から遠いというのが難点といえば難点ですが、治安も良くアイランダーと呼ばれる住民も親切です。道を歩いていると笑顔で声をかけてきてくれることもあり、安心して英語を勉強するには最適の環境といえます。午前は教室で授業を受け、午後はそれに基づき各種のアクティビティが実施されます。まさの実践の英会話といえます。

生徒が学ぶ学校はオーナーは高校生の頃、日本に留学しホームスティ先やその他、日本の方々に大変に親切にしていただいた。その恩返しのつもりで英語学校を開設したとのこと。雲雀丘学園と力を合わせて英語はもとより、いい生徒を育てたいとのことでした。「テストをすれば1番いい成績をとるのが日本の生徒と思う、でもそれが表面に出ない」というのが学校の経営幹部の方々のご意見。私も日ごろ感じていることです。英語に限らず表現力、コミニュケーション力、更には度胸といったものを雲雀丘学園はもっともっと教えていかねばと思っています。

次期指導要領では2018年度から小学校5・6年生の週2時間の英語の教科化が始めるとしていますが、雲雀丘学園ではさらに充実させ、2018年度から小学校全学年で週2時間のネイティブによる授業を開始します。更に学園を上げて「話せる英語」の授業を展開したいと考えています。「孝道から行動、そして世界にはばたく」を目指します。(2017.8.4)

2017年07月21日

終業式それぞれ

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登校途中の街路樹に「百日紅(さるすべり)」があって今年も薄紫と紅色の花を咲かせています。「百日紅」は中国名で、花期が長いことで名づけられたとのこと、実際、梅雨のころから秋の初めまで咲きつつづけます。そして明後日は「大暑」、いよいよ暑い夏の始まりです。
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雲雀丘学園は昨日、小学校の終業式が記念講堂で、そして今日は朝、校庭で中高の終業式が行われました。小学校では石田校長が話の中で、ある4年生のお年寄りへの親切な行為を取り上げました。1週間ほど前のことですが、この児童はJR川西池田駅で道に迷ったおばあさんを帰る方向が同じだったので、「額から汗を滝のように流しながら」伊丹駅までお連れしたそうです。おばあさんは児童の特徴も添えながら「親切な彼」を探してほしいと学校に手紙をお寄せになったのでした。

こんな話を聞くと本当にうれしくなります。実はこの春先も中学校で同じような話が続けてありました。困っている人を見てお手伝いできること、これは人間として最高の行為です。かけがえのないものです。雲雀丘学園は「親切な彼」をもっともっと生んでいきたいと思います。

中高校の中井校長は挑戦の話しでした。この夏休み、どんなことでもいいから一つ目標を決め、限界を超えろという檄です。他人から言われたことは長続きしません。自ら目標を決め取り組んだから頑張れるものです。「やってみなはれ!」は雲雀丘学園の本領とするところ。集中力を発揮し、ぜひ校長に達成の報告をしてください。(2017.7.21)

2017年07月13日

教育の要諦

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九州北部の豪雨で多くの方がなくなられ、1週間を経った今もたくさんの行方不明や、避難を余儀なくされている方がおられます。心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

先週、東京で渋谷教育学園幕張中学校・高校の理事長兼校長の田村哲夫氏からお話を伺う機会がありました。同校は開校30年あまりで、東大をはじめとした難関大学の合格実績を大きく伸ばすとともに、海外の名門大学も進学先として定着し、全国屈指の人気校となりました。

教育目標は3つ。「自調自考の力を伸ばす」「倫理観を正しく育てる」「国際人としての資質を養う」です。その中でも「自調自考」は一番大切、校長自らが何度も生徒に「自ら調べ、自ら考える」大切さを指導しているとのことでした。したがって生徒には自主性を求め、求められれば積極的にサポートをするという立場だそうです。前提として生徒には目的意識をしっかり持たせることが必要なことも話されていました。

親や先生から「勉強しなさい」と言われても、いやいや勉強していたのでは続きません。一方、好きなこと面白いことなら子供たちどんどんやっていきます。子供たちは学習すること自体が楽しいものでないと前に進まないのです。

ここに教育の要諦があります。目的があること、楽しいことを日々の教育で、授業でどう実現するかにかかってきます。学園中高等学校、初代校長の板倉操平先生は「教育とは生徒の心に火をつけること」と教職員を指導されました。通底していると思います。(2017.7.13)


2017年07月06日

現代っ子応援団

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旧3商大(東京商大、神戸商大、大阪商大)の流れをくむ3大学(一橋、神戸、大阪市大)の応援団の合同演舞演奏発表会が今年は一橋大学で開催され、大阪市大の応援団卒(?)の私は会場に駆けつけました。神戸大学は団員の減少で現在休部中、実際は2大学の演舞ですが、我々の時代とは様変わりの、はるかにレベルの高い演技を見せてくれました。

20170706-2.jpg大学の応援団は団員の減少で、廃部や女子応援団長誕生の話題がマスコミをにぎわせますが、一橋大学や大阪市大は逆に昨今、部員が増加しており応援団OBとしては心強い限りです。就職活動も順調のようで、全員が希望の企業から内定の通知を受けていました。

応援団というと時代錯誤の権化のように思われるかもしれませんが、他人を一生懸命応援する、黒子に徹するという利他の精神が企業からも評価され、また自らも心のよりどころとなっているのかもしれません。

耳をつんざく太鼓で拍子をとり、旋律も無視して歌をがなりたて、司会は世にも奇妙な語り口で聴衆を笑わせ、団旗を2時間近く微動だにせず持ち、歯を食いしばっての演技は昔と変わっていませんが、そこは現代っ子、リーダー、チアリーダー、吹奏楽が一体となって織りなすパフォーマンスは軽快で華やかでテンポよく、聴衆の喝采をうけていました。

20170706-1.jpg現代っ子といえば髪を派手に染めている2回生団員がいました。このあたりは大らかな、民主的な(?)運営がなされているのでしょうか。礼儀正しく長幼の序もわきまえ、仲よく和気あいあいの応援団員が、社会に出て活躍してくれることを願わずにはおれませんでした。(2017.7.6)

2017年06月28日

やってみなはれ!

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「どうでっか」
「あきまへんな。焦げ臭うて飲めたもんやおまへん」
「そうでっか、あきまへんか」

赤玉ポートワインで大成功をおさめた鳥井信治郎は、今度はまわりの反対を押し切ってウイスキー事業に乗り出しますがそのウイスキーの売れ行きが芳しくありません。巨額の資金をつぎ込んだだけに会社経営も窮地に陥ります。

20170628.jpg今日6月28日の日経新聞の連載小説「琥珀の夢」には、国産ウイスキー第1号発売時の様子が描かれていました。ご承知の通り鳥井信治郎は雲雀丘学園の創立者です。本学園は建学の精神に「孝道(親孝行)」を謳っていますがもう一つ、日頃、信治郎が口にしていた言葉に「やってみなはれ」があります。

ウイスキーづくりはまさしく「やってみなはれ」精神そのものであり、信治郎の生きざまでした。小説の今後の展開が楽しみですが、逆境こそチャンス、失敗こそ未来への財産と捉えた信治郎の心意気は、親孝行とともに学園の子供たちにしっかりと伝えたいと思います。因みに「学園長便りGo for it!」は「やってみなはれ!」という意味です。

昨年の今頃でしたが、著者の伊集院静さんが雲雀丘学園に小説の取材でお訪ねになりました。すこし学園のことを書いていただけたらありがたいなあと思っています。(2017.6.28)

2017年06月19日

三浦雄一郎氏

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山登りをしていた人たちが、道に迷ってしまいました。「今、どこにいる?」と地図を真ん中にあれこれ相談をはじめました。しばらく協議ののち、遠くを指さしながら「わかった!今、我々はあそこの峰にいる」。

梅雨入り宣言はされたものの、今年の梅雨はいっこうに雨が降りません。空梅雨だ、何だと言われていますが、梅雨入りが遅れているだけではないのでしょうか。上の「山登りの協議」のよう思えます。

「夢いつか頂へ、80歳のエベレスト挑戦」と題し、登山家、三浦雄一郎氏の講演会(学園PTA主催)が、6月17日、学園講堂で開催されました。生徒の保護者が中心ですが、一部地元の方もお招きし、学園講堂は立って聴かれている方もおられるほど盛況でした。

三浦氏は3度の世界最高峰エベレスト山(8848m)登頂に成功し、世界最高齢(80歳)での登頂記録も樹立しました。70歳、75歳とエベレストに登頂しましたが76歳の時、スキー場で大けがをします。もう復活はあり得ないと思われたのですが、エベレストへの憧憬、登頂への強い意志が驚異的な回復をもたらし、80歳の登頂をなしえたのでした。

「守りの健康から、攻める健康へ」、今でも2kgの重しを両足に、背中に10kgを背負いながら歩かれるそうです。昨晩も1kgのステーキを平らげたとお話しでした。

20170619a.jpg学園からお願いした色紙には「夢いつまでも」と書かれていました。欧米人と違って日本人は、夢ははかないものと思うようです。夢は実現するものです。三浦氏は「ほら吹き大会にならないように」と言いながらも90歳のエベレスト挑戦を話されていました。夢、強い意志と執念、学園の子供たちにもしっかりと教えていきたいと思います。(2017.6.19)

2017年06月09日

学園長に就任して
(Go for it ! 掲載分)

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気象庁は7日、近畿地方が梅雨入りしたとみられると発表しました。平年並みですが昨年より3日遅いようです。ここ数日、朝夕は涼しく、しのぎやすい日が続いていましたが、しばらくはうっとうしい日になるかもしれません。

「実力としては僥倖としか言いようがありません」。将棋の藤井聡太四段が6月2日に20連勝をしたあと語った言葉です。14歳、中学生です。自らを振り返ってみて、果たしてこんなことが言えたかどうか。すごいを通りこして、すごみさえ感じます。
 
この4月に学園長に就任しました。雲雀丘学園には幼稚園、小学校、中高等学校と四つの校種があります。学園は建学の精神に「孝道」を掲げていますが、この旗のもと、幼稚園から高校まで15年間を、どのように育てていくか、そのためには校種間の一貫性、継続性、蓄積性、相乗性が極めて大切だと考えています。

藤井四段のすごさは望むべくもありません。日々地道な改革を重ね、魅力ある学園づくりに取り組み、子供たち、保護者の皆さんのご支持をいただきたいと思います。(2017.6.8)

2017年06月08日

学園長に就任して
(学園誌「ひばり」掲載分)

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「君たちは甲子園に一イニングの貸しがある
 そして 青空と太陽の貸しもある」
この詩を書いた作詞家・阿久悠さんの記念館が、明治大学にできたことを聞いていたので今年の連休に行ってきました。阿久悠さんは昭和の歌謡界で、数々のヒット曲を世に送り出したと同時に、大の高校野球ファンとしても知られています。観戦の時の詩をたくさん残していますが、そのうちの一編の一部が冒頭の詩です。
 これは一九八八年の夏の甲子園に初出場した岩手県立高田高校に贈られたメッセージです。高田高校の相手は滝川二校、試合開始から小降りだった雨は回を追うごとに激しくなり、グラウンドのあちこちには水たまりができました。ぬかるみの中でのゲームでユニフォームは泥だらけになりました。そして試合は中断、十一分後に主審は試合終了を宣告しました。
 九対三、五六年ぶりの降雨コールドでした。高田高校ナインは一イニングを残して甲子園をさらなくてはなりません。
 「一イニングの貸し」。阿久悠さんは何という誇りある表現をしたのでしょうか。高田高校は敗戦ながらも雨中、堂々と戦いました。悔いなし、それだけで十分。その上で高田高校はあの甲子園に「貸し」を作ったのです。誇りある「貸し」はいつまでも部員の心の中に生き続けその後の人生に大きな財産となりました。
やがて暑い夏となり今年も雲雀丘学園野球部は甲子園を目指しますが、大切なことは試合に勝つことではありません。クラブ活動を通して人格を磨くことです。勝利することにこしたことはありませんが、生きていくうえで、もっともっと大切なことがあることを掴んでほしいと思います。何も野球部に限りません。仲間と泣き、笑い、語り、時には喧嘩し合って心の成長を目指してください。
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そして何のために練習するかということも大事なことです。いつかテレビでマラソンの有森さんが母校高校の陸上部の指導をしている様子が映りだされていました。部員の練習の動きを見ていた有森さんは気になった生徒を呼び止め、一人ひとりに今何をやっているかを厳しく問い詰めていました。何のために、何を目的として練習しているかは、向上を図るためにはきわめて大切なことです。練習に限ったことではありません。人間というものは、ついつい惰性に流され、楽をする方に走りがちです。
以前、中高の校長室から校庭のアンツーカーを走る生徒の練習風景を見ていました。生徒はコーナーにさしかかると内側にそれ、芝生の上を走っています。これでは何のために走っているのかわかりません。生徒もそして指導者も「何のため」ということを頭に叩き込んでおかないと成長は望めないと思います。

さて私、この四月から学園長に就任しました。雲雀丘学園には幼稚園、小学校、中高等学校とあります。それぞれに園長、校長がいて学園を良くするため懸命の取り組みをしています。しかし校種間の連携や一貫性についてはやや不足の感は否めません。幼稚園から高校まで一五年ありますが、この期間で子供たちをどう育成していくかの考え方が重要であり、喫緊の課題と申せます。
例えば英語教育も日本では時間をかける割には話せない人が多いと言われています。私自身もそのとおりです。一五年でどう話せるようにするかを、校種の壁を乗り越えて取り組まねばならないと思います。他の教科においてもしかりです。
連休前でしたが今年大学に進学した卒業生が私を訪ねてきました。進学して間もないですが、楽しく新鮮な毎日のようで安心しました。高校との違いは自ら求めていかないと得るものはなく、特に少人数の教室では、積極的に発言しないと取り残されてしまうとのことでした。そのためにはみんなと溶け込む力、表現力、伝える力が必要と話していました。
彼とは在学中、朝七時半からの早朝勉強会に何度か出席し、新聞記事を題材に話し合いました。経済問題が主になりましたが正解はありません。どうしてそのような結論を導き出すのかの説明が大事なのです。あえて他人と異なる意見も出しました。こうした雲雀丘学園での勉強会が今、大いに役立っているとのこと、大変うれしくまた頼もしく思いました。
先ごろ「新学習指導要領案」が公表されましたが、改革の方向性についてはどなたも異論はなかろうと思います。問題はどうやって実現を図るかです。「アクティブ・ラーニング」という言葉は使われず「主体的・対話的で深い学び」となりました。基本的な知識を習得したうえで課題の発見や解決を通じて思考力や表現力を磨いていくことが目的です。学習は自らが主体的に取り組み、アウトプットしなければ身に付きません。グループ討論やプレゼンテーションは社会に出ても重要でコミニュケーション能力の向上にもつながります。学園全体の取り組みがますます重要になってきています。(学園誌「ひばり」より)