学校ブログ

校長通信

こんな本読んだ 第65号

2021/10/21

学校経営

2000年に多くの人に読まれた「チーズはどこに消えた」が大谷翔平選手の愛読書と言うことで再度注目され、売れていると聞きました。日本国内では88刷、累計400万部、世界では2800万部売れているそうです。わが家の書棚にもあります。

似たような題名の「心はどこへ消えた?」が話題になっていると聞き、手に取ってみました。筆者の東畑開人さんは、京都大学大学院教育科学研究科博士課程出身の臨床心理士・公認心理士です。学校カウンセラーなどを経験され、現在は大学准教授として勤務されながら、カウンセリングルームを開業されています。

中身は「週刊文春」2020年5月から掲載されていた「心はつらいよ」を改題加筆修正したものです。気軽に読めます。コロナのことを書いているのではないけれど、コロナ禍でどこかに行った心を探すことができるような気がしました。かつて臨床心理学者の河合隼雄は「物は豊かになったが、心はどうか?」と問いかけて、人々を魅了しました。筆者は「今、豊かなのは物ではなく、リスクだ。私たちはあらゆるところにリスクが潜んでいる世界で、自己責任を背負って生きていかないといけない。」「リスクは豊かになったが、心はどうか」とも言います。この1/2年いろいろなリスクの中で心はどうか?と自問し、それを繰り返しています。軽妙なタッチの書きぶりで、それぞれの切り口・テーマについて、見つけることができない心を探すという行為ができたのかもしれません。「心とは個人的で、内面的で、プライベートなものだ。それはあらゆるものを否定したあとにそれでも残るものなのだ。心は旅の始まりではなく、終わりに見つかる。」とあとから読み直した前書きに書いてありました。じわり「なるぼと」と妙に納得してしまいました。

生徒のみなさん、興味があれば校長室にどうぞ!

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