学園ブログ

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学園自然百景

2022年11月25日

44.「紅葉におけば紅の露」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 紅葉の季節。ひばりの里のイロハモミジは深紅と言ってもいいぐらいの色です。

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紅葉の様子
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葉の対生

 紅葉と書いて、「コウヨウ」「モミジ」と読みますが、「楓」は、カエデまたは、フウと読み、同じような植物を指します。では、その違いはあるのでしょうか。
 基本的には同じ植物だそうです。この写真の樹木をイロハモミジと言ったり、イロハカエデと言ったりします。モミジとカエデを日本では、使い分ける場合もあるようですが、あまりはっきりするものではないようです。ただ、「楓」をフウと読んだ場合は、種類が異なります。カエデの葉の付き方を見ると、同じ場所から一対の葉が出ています。これを対生と言います。
これが、カエデとフウの違いになります。フウは互生で、葉が互い違いに出てるわけです。同じ漢字でも異なる種類を表すという何とも複雑な名前です。
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中高グランドのイチョウ
 万葉集の時代には「紅葉」と表記されず、「黄葉」が使われていたようです。現在は、イチョウなど、黄色く色づく物に使われることがありますが、同じ意味だそうです。
モミジという呼び名は、「揉みつ」から来たそうで、色を揉みだすということから来ているそうです。これは、日本独特の呼び方になるそうです。また、カエデは、「カエル手」という葉の形の特徴からつけられた名前です。種類的には、モミジ属というものが植物分類上にはなく、カエデ属に統一されています。外国では、「maple」に統一されています。ご存知のようにカナダでは、それが、国旗になっています。
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小学校の正門前紅葉
 なぜ赤くなるのかは、まだはっきりとはわからないようですが、光合成に必要なクロロフィルが必要なくなり、アントシアニンが生成され、日光から葉を守るのだそうです。イチョウなどは、カロチノイドが生成されて、黄色くなるようです。
この時期自然の色を醸し出しているのは、名所と言われる場所ばかりではありません。身近なところで隠れスポットを見つけて鑑賞されてはいかがでしょう。
 透明な露が周りの環境によって様々な色に見えるように、様々な環境の中で自分が染まるのではなく、その場によって見え方の違う自分を醸し出せるようにしたいものです。