学園ブログ

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学園自然百景

2023年09月13日

82.「夫婦円満」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 ハスの上に乗っている昆虫をご存知でしょうか。多くの子どもたちや大人も漠然とバッタということが多いと思います。少し知識のある人(私もそのひとりですが)は、ショリョウバッタと答えることが多いのではないでしょうか。そう考えると、少しおかしいところがあります。スイレンの葉をみると食べたあとがあるのがわかりますでしょうか。撮影したときにちょうど食べているところでした。
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里池でスイレンの葉を食べている
オンブバッタ
 ショウリョウバッタは、イネ科の植物の葉を食べます。まわりには、イネを始めたくさんのイネ科があるにもかかわらず、スイレンの葉を食べているのに違和感があります。よく調べると名前はよく知っていますが、混同してしまっていることがあるようです。このバッタは、オンブバッタです。翌日、ちゃんとメスがオスをおんぶしていました。
 調べていくと、ショウリョウバッタは、イネ科の植物を好みますが、アサガオやマメ科の植物の葉も食べるようです。大きな違いは、足の長さです。ショウリョウバッタは、その長いあしでジャンプし、はね広げてキチキチと音を立てながら空中を飛びます。その音からキチキチバッタとかその後ろ脚を持つとお辞儀をしたように動く様子から、コメツキバッタなどともよばれます。日本最大級の大きさが特徴です。名前の由来は、精霊、霄壌などからついたと言われます。

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ひばりの里 小学校の観察会で捕獲した
ショウリョウバッタ
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里池のスイレンの葉の上でおんぶしているオンブバッタ
 

 オンブバッタは、はねはあるものの、ほとんど飛ばず、うしろあしを使ってはねることが主流になるようです。大きさは、小型になります。
 種類としても顔かたちは似ていますが、別の種類になるそうです。
 なぜおんぶしているのかというと、基本は交尾のためですが、独占欲が強いらしいので、乗っているそうです。
 実際はともかく、仲良しに見えるのですが、皆さんはどうでしょうか。夫婦が仲良く暮らすことは、子どもにとってもよいことだと思います。