学園ブログ

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学園自然百景

2024年08月23日

126.「仲介」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 ゴーヤーやヒョウタンは、雄花と雌花が分かれています。そのため、何かに頼っていかなければ、子孫を残すことはできません。この仲立ちをしているのは昆虫や鳥たちになります。
 ヘチマは、雄花はたくさん咲くのですが、雌花がなかなか咲きません。そんな中、ついに雌花を発見しました。校舎の2階にまで伸びたツルに。これを結実させてくれたのは誰かと見ていると、真っ黒なクマバチでした。クマバチというと、フジの花の咲いているところにブンブン飛んでいる丸っこい胸のあたりが黄色い毛の生えたキムネクマバチという在来種を思い浮かべます。小学校にも以前藤棚があり、その下で観察などを子どもたちにさせていたときによく飛んでいたことを思い出します。オスは針を持たないので、刺すことはありませんし、人間には無頓着ですが、飛んでいる虫が近づくと、飛んでいって追い払います。そしてまたホバリングをして見張りを続けることを繰り返します。実は、雄が雌かどうかを確かめているとか。そんな話をすると子どもたちも安心して観察をしていました。ところが、今回のクマバチは、真っ黒です。同じクマバチの仲間ですが、外来種のタイワンタケクマバチという種類のようです。このクマバチは、針を持っていますが、温厚で人を襲うことはないようです。毒性も弱いと言われています。ただ、ミツバチと同じで刺されればアナフィラキシーショックなどを起こす可能性があるため、気をつけた方がよいでしょう。
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花から花へ飛び回るタイワンタケクマバチ
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体は黒く、羽も濃い茶をしています。

 このハチが増えることで、在来種のキムネクマバチの食べ物を脅かすこととなり、在来種が減ってしまう可能性もあると言います。
 このハチが、雄花と雌花の仲を取り持つ仲介者(媒介)であることは間違いないのですが、国をまたぐ仲介者になれないのが残念なことです。ちなみにまだ、ヘチマは結実が見られません。ヒョウタンは豊作なのですが。