学園ブログ

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学園自然百景

2023年07月28日

76.「蜥蜴の尻尾切り」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 この表題の意味は、「不祥事などが露見したとき、蜥蜴が尾を切り捨てて逃げるように、上位のものが下位の者に責任をかぶせてて、上の追求から逃れること(goo辞書による)」とあります。
あまりうれしくない使い方です。
正門を上がる右手にある鉢のしたから、何かをくわえたトカゲを発見しました。最近よく子どもたちも見つけます。この時期、産卵も終わり孵化した幼体も見られることが多くなる時期なのです。ミミズなどを食べます。この写真は、尻尾が青くありません。成体のニホントカゲです。日本の自然には3種のトカゲがいます。ニホントカゲ、ヒガシニホントカゲ、オカダトカゲです。どうやらこの3種は、最近になって解析技術の進化によって種類分けされたようです。
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正門を上がる坂にいたニホントカゲの成体
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ひばりの里にいたニホントカゲの幼体

 もう一方の写真は幼体のトカゲです。他でもみつかったのですが、ひばりの里で撮影しました。金属光沢のある青い尻尾が特徴です。初めて見た子どもは、とてもその色に感動していました。私が幼少の頃、この尻尾を踏んで切ったあとの尻尾が動くのを不思議に思いながら見ていた記憶があります。いざというときにこの尻尾を切ってその尻尾が動いているのに気を取られるうちに逃げるという捨て身の自衛をするわけです。尻尾は、再生されてくるのですが、元通りではなく、骨が軟骨になってしまいます。また、尻尾には栄養を貯めるらしく、それを切るということはかなりの体力を消耗するというわけです。ですから私がしていたことはしてはいけないことをしていたと今更ながら感じ反省します。
 このことから、「しっぽ切り」は、大切な物を切ると置き換えて考えると骨身を削ってまで頑張ることともとらえてもいいかもしれません。