学園ブログ

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IT時代を生き抜く

2018年06月20日

年齢層に応じたプログラミング教育のあり方

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プログラミング教育の必修化に備え学校の教育現場では、どのようにプログラミングを教育していくべきか、そしてどう評価していくべきなのか、など議論を進めています。
最近では学校以外でのプログラミング教室も盛んになり、低学年からプログラミングにふれている子どもは増えてきています。
そこで、年齢層に応じたプログラミング教育を考えることは非常に大切です。
初めてプログラミングを学んでいく子どもには、ビジュアルプログラミングがおすすめです。本来プログラミングはソースコードをテキストで記述する形のものが多く、言語そのものを学んでいくのですが、いきなりそれは難しいものです。しかし、ビジュアルプログラミングは、PC上でコマンドと呼ばれるコンピュータへの命令があらかじめ書かれたタイルやブロックをドラッグ&ドロップし、それらをつないでプログラムを作成するスタイルなので、初心者でも簡単にプログラミングの基礎が学べるというわけです。そこで作ったプログラムをロボットに載せて、動作確認、というロボットプログラミングが主流です。この方法は「プログラミング的思考」を養うのに最適だと言えます。
しかし、年齢層が上がり、中学高学年・高校生のプログラミング教育を考えた場合、ビジュアルプログラミングだけでは物足りない感じがあると言わざるをえません。導入としてはとても良いのですが、ビジュアルプログラミングだけを続けていてはすぐに飽きがきてしまいます。つまり、プログラミング言語を学び、文法を知り記述していく教育が必要です。言語そのものを学ぶことで、プログラミングによってできることの可能性が桁違いに広がります。あらかじめ用意された命令を使うのではなく、自分で考えた命令をプログラムにするのです。まさにここが醍醐味なわけですが、言葉で言うと簡単そうに聞こえます。が、実際はそう簡単にはいきません。まずアイデアが必要となり、言語のルール理解も要ります。アイデアを言語上でどう表現するのか。1つの入力ミスがあってもダメです。時間をかけて試行錯誤をしなければいけません。そして、これがやっと自分の思い通りの動作になったとき、達成感や喜びは大きいでしょう。
ただ、時代の流れとともにプログラミング言語は今後変わっていく可能性があり、プログラミング言語自体を覚えることに大きな意味があるとも思えません。もちろん完全に無駄というわけではないですし、覚えた言語を実際に使うことが出てくるケースの人もいるでしょう。
大切なのは、今なぜプログラミング教育を学ぶのか?を問うことです。プログラミングを学んでいる今の子どもがやがて社会へ出たとき、AI化がさらに加速していることでしょう。そうなれば仕事の数はどうなっているでしょうか。そんな中でも発揮できる力を育成していかなくてはなりません。どんどん積極的に学んでほしいと思います。
(中学校高等学校 教諭 増田勝彦)