«「解凍」 | メイン | 「お墓参り」»

「やってみなはれ精神」と「思いの深さ」

20180824-0.jpg
私の中学生の頃の話です。毎年新学期になると、気分も新たに「さあー 新しい学年が始まった。これから勉強するぞ!」と、意気揚々と近所の本屋さんに主要な教科の参考書や問題集を買いに行きました。しかしながら、買った参考書や問題集が開かれるのは最初の数ページだけ、ほとんど日の目を見ず、ほぼ新品のままの状態でお蔵入りをしていました。恥ずかしながら私にはこの手の話は今も、枚挙にいとまがありません。つい最近も、「これや!」と思い、「どんなに体がかたい人でも、4週間でベターッと開脚できるようになるすごい方法」という本を買いましたが、ぱらぱらっと目を通しただけで、私の体はカチカチのままです。

そんな私だからこそ非常に共感を覚える言葉があります。「思いの種を撒いて、行動を刈り取り、行動の種を撒いて、習慣を刈り取る。習慣の種を撒いて、人格を刈り取り、人格の種を撒いて、人生を刈り取る。」というものです。
思い立って行動したが長続きしなかったという経験は誰にもあると思いますが、その思いを実現する方法はまさに行動の習慣化でしょう。そしてその習慣化への原動力は、間違いなく思いの深さです。

初代理事長の鳥井信治郎は、明治生まれの人ですが、今でいうベンチャースピリットの権化のような人でした。思い立ったらすぐ行動し、数々の事業を手掛けました。特にウイスキー事業への思いが強く、幾多の困難を乗り越え、日本にウイスキー文化を定着させましたが、その成功の裏には、「やってみなはれ」という旺盛なチャレンジ精神に加え、ウイスキー事業を絶対成功させたいとの強烈な思いがあったからでしょう。

また、雲雀丘学園の2代目理事長の佐治敬三(鳥井信治郎の次男)は名経営者としても有名でしたが、その逸話に、新規事業の決裁を取りに来た社員に、あらゆる角度から何度も質問をしたそうです。その質問に自信なく曖昧な答えをした場合は、決裁をしなかったと聞きます。様々な質問を投げ掛けることで、その社員の事業に対する思いの深さを計っていたのでしょう。

将来を担う子どもたちに、不可能を可能に変える二つのキーワード、「やってみなはれ精神」と「思いの深さ」を贈りたいと思います。そして私にも。

中山台幼稚園園長 長岡 伸幸