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2018年08月10日

「学問をなさい」

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 五十年程前の、小学生の頃です。いつもと違う先生が来られて、講話をされました。
「不思議に思うこと、もっと知りたいと思うことを追い続けていくと、それが学問につながります。ごまかして○をもらっても、自分の知りたいという心は満足できません。だから正直になります。思いもよらないことを発見した人がいたということを知ると、尊敬の念がわきます。自分は何も知らないということに気づくと、謙虚になります。だから、学問をなさい。」何年も経って、折に触れて、これは先生のおっしゃったことと同じだと思いあたる場面が何度もありました。上の言葉も、そのたびに記憶が書き換えられて、正確ではないかも知れません。それでも、反芻するうちに育つ「種」のようなものが先生のお話の中にはありました。遠い記憶の中の、西日のあたる教室で小学生を相手に静かに学問を語る先生。1960年代後半のお話です。

(中学校・高等学校 教頭 深川久)

2018年08月03日

教師のその一言

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 教師になって12年目の頃でしょうか、卒業生である教育実習生に「どうして教師になろうと思ったの?」と何気なく尋ねたことがあります。正直なところ在学時にはそんなに勉強が得意でなかったし、少し派手な感じの生徒でした。答えは「中井先生が地理の発表の時にすごく上手。教師にむいているかもと言ってくれたからです。」と明るく答えてくれました。顔から火が出る思いでした。全く覚えていませんでした。確かに性格は明るく、話し方や間のとり方などみんなを引きつけていました。実習中も自信を持って失敗をおそれず取り組んでいました。彼女はその後公立中学校の美術の先生に採用されました。

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 この一言はいい一言だったかも知れません。一言が大事ではなくて、この時の生徒との関係性、眼差しが重要なのだと思います。教師の一言は大きな力を持っており、しっかりと生徒に向き合って行かなければならないことを改めて気づかせてくれました。私たちは日々生徒に教えているようでも、生徒たちからたくさん教えてもらっています。

(中学校・高等学校 校長 中井啓之)