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「什(じゅう)の掟~ならぬことはならぬ~」

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 “ならぬことはならぬ”という「什の掟」の最後のくだりをご存知でしょうか。数年前,ベストセラーになった『国家の品格(藤原 正彦 著書)』においても紹介され,注目されたことばです。


 夏休み中のある研修会で,什の掟と会津藩の取り組みについて話を聴く機会がありました。
 会津藩士の子弟は,町ごとに十人前後のグループを作っていました。
この集まりを什と呼んだそうです。会津藩では,十歳になると藩校である日新館に通います。六歳から九歳の子弟が集まる什は,日新館に入学する前に会津武士の心構えを身に付けさせるための場だったのです。什の時期である六歳から九歳は,小学校低学年の時期と重なります。私なりに少し調べてみると,その取り組みは小学校段階の生活指導に関して,多くの示唆を与えてくれています。
 例えば,ルールやきまりを明確化し共有すること,日々の生活の中で実践し自己評価すること,ルールやきまりに違反した者に対しては事実を確認し理由を問いただした上で罰が与えられること,意図的に異年齢交流が取り入れられていること,子ども同士で自治的に行っていること,などです。

 規範意識を育成するために,全ての児童に対して“ならぬことはならぬ”として基本的なルールやきまりを教えることは,とても大事なことだと思います。そして,個々の児童が抱えている事情や背景に留意して馴染めない児童に対しては,個別に対応したり丁寧にケアしたりすることも必要です。その対応やケアが学校だけでは不十分ならば,家庭と連携したり関係機関の力を活用したりして指導にあたることも必要でしょう。このように,集団の中の個という視点に立った指導と個あっての集団という視点に立った指導のバランスが,生活指導には必要だと考えています。
(小学校 生活指導主任・人権教育主担 打村 孝志)