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親孝行・やってみなはれ

2021年12月10日

師弟同行のこと

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 私の剣道の師匠は戦前、京都の大日本武道専門学校を卒業された剣道の専門家でした。師匠は剣道についてはもちろんですが、様々な人生訓についても語ってくれました。その中には芸道における成長についての言葉が多くありましたが、その一つが「師弟同行」という言葉でした。「していどうこう」と読みがちですが、「していどうぎょう」が正しい呼び方です。師が手本を見せる中で弟子はこの一挙手一投足を「真似び」(学び)、長きにわたり師のそばいて、これを自得する。私はこのことを師弟同行の意味だと長く思っていました。 
 しかし、よくよく考えてみると、それならば弟子は随行であるべきで同行(どうこう)ではないはずです。ここに「どうぎょう」の意味があります。即ち、師も弟子に教えながら、より深いところで学んでいく、師弟がまさに「同じ行」の中で学び合っていくということです。修行に終わりはありません。師が率先垂範、教授する中で弟子はそれを「真似び」、師はまた教える中でより深い真理の探究を怠らない、それが師弟同行の本当の意味であると思うようになりました。もちろん、これは技芸の道だけではなく人の道についても師弟は同行し、学び続けることを説いています。
 我々雲雀丘学園の教員と生徒の関係もまさに師弟同行であるべきではないかと思います。人としての成長に終わりはありません。我々教員も授業やクラブ活動を通して知識、スキルだけではなく、人としての在り様について率先垂範する中で生徒とともに学んでいくことが大切です。教えてもらえたことが誇らしく思ってもらえる教師になるために、師弟同行に終わりはありません。

(中高校副校長 成地 勉)