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親孝行・やってみなはれ

2022年09月30日

父との幸せな時間

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私の父の趣味は「蝶の採集」です。
定年退職後は、同好の友人たちと国内に留まらず、東南アジアにまで採集に出かけています。標本箱は、実家に行くたびに増えています。
しかし、私は蝶に興味がなく、モンシロチョウとアゲハチョウが分かる程度の知識しか持ち合わせていません。ただ、父が喜ぶことが分かっているので、実家に行けば「最近は蝶を採りに行ってるの?」と尋ねるようにしています。そのあとが専門的な長い話になるので、アクビを噛みころすことが多いのですが。

先日、家族で実家に行きました。
その日は早々においとましたかったので、(蝶のことは尋ねずに失礼しよう…)と思っていたら、私の息子が「最近は蝶を採りに行った?」と、父のスイッチを入れてしまったのです、あらら…。「おぅ、見るか!」と、父は意気揚々と標本箱を持ち出し、その後、採ってきた蝶の習性や特徴を延々と聞くことになりました。

帰りの道中で、息子が言いました。
「おじいちゃんが話す姿に、いつもパワーをもらう…」
父が嬉しそうに話す姿は私の喜びではありましたが、息子はそのように感じていたようです。父も私も互いに喜び、息子はパワーをいただく、父の『蝶談義』は、私たち家族に幸せな時間をもたらしていたようです。今日は蝶のことは尋ねずに…と思った自分が、恥ずかしい。

アクビを噛みころすことがないよう、私も少し、蝶の知識を仕入れておこうかな。そうすれば、父ももっと喜んでくれそうです。

(雲雀丘学園小学校 教頭 神吉 清視)