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親孝行・やってみなはれ

2022年10月14日

「親孝行はできたのか」

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私は両親、弟、祖母の5人家族で、子供の頃から何の不自由もなく幼少期を過ごしてきました。
子供の頃、特に親孝行というものを意識したことはなかったというのが本音です。兄弟とも体は強くあまり病院のお世話にならなかったことは親孝行だったのもしれません。自宅が美容室だったので、なじみのお客さんと楽しそうに話しながら仕事をする母の姿をよく覚えています。孫ができてからは、母は嬉しそうに孫を連れて電車を見に行っていました。孫の世話ができたことは親孝行でしょうか。
その後、母は子宮筋腫、乳がんに罹患し、最後の方は寝たきりとなり、話し好きな母が話をすることはほとんどできなくなりました。電車を見に連れて行っていた長男が何とか私立中学に合格し、母に合格報告をしました。ほとんど話せませんでしたが、嬉しそうな表情で喜んでいたことをよく覚えています。それから数週間後、食べ物を喉に詰まらせて亡くなってしまいました。
私が親孝行をどれだけできたのか今でもよくわかりませんが、「健康であったこと」、「親よりも長生きしたこと」、「独り立ちして社会生活ができていること」がせめてもの親孝行かなと思っています。
そして、我が子にもそうあって欲しいと願っております。

(雲雀丘学園中学校・高等学校 教頭 野村 勝)