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親孝行・やってみなはれ

2024年03月01日

あの家には父親がおらんからな

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 タイトルから想像いただける通り、私の父は私が幼いときに他界しました。「あの家には父親がおらんからな」この言葉は誰かに言われたわけではなく、母・弟・私での生活をする中で、母が他人に絶対この言葉は言わせない、と鬼気迫る表情で呟いていた言葉です。普段はかなり落ち着いている母ですが、このときだけ涙を見せていたということもあって強烈に印象に残っています。今振り返ると、父親がいないという理由で子どもたちに不自由な思いは絶対にさせないという覚悟の言葉・涙だったのではないかと思います。現に、学校行事をはじめ10年以上続けた柔道の大会においても、母が応援に来なかったことは一度もありません。また、私のことに過干渉することもなく、私立の高校・大学に進学したい、大学院で柔道の研究がしたい、などの私の選択をすべて受け入れてくれました。
 私にとっての親孝行は、女手一つで育ててくれた母の行いに報いることです。私の力を世の中のために役立てること、今の私に言い換えれば、子どもたちの成長のために力を尽くすことで母の選択は正しかったことを証明したいです。

(雲雀丘学園中学校・高等学校 グローバル探究部 保健体育科 岡本一樹)