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親孝行・やってみなはれ

2020年07月31日

親父の背中

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 「息子のすることにあまり口出しをしない」私の父に対する印象です。小学生の頃から私のやりたいことなら何でも自由にやらせてくれる人でした。高校受験の時も「甲子園に行きたいならこの高校、勉強に力を入れたいならこの高校。」と選択肢を考えてくれながらも、最後は自分の行きたいところに行かせてくれました。大学進学の時も、自宅から通える大学に行けたのにも関わらず「行きたい大学が遠ければ一人暮らしをすればいい。」と。就職活動時もその姿勢は変わりませんでした。その結果、高校を卒業してからというもの私は親元である和歌山を離れて過ごしています。
 そんな父の本音を知ったのが「10年後の私にあてた手紙」を目にしたときでした。これは私が結婚して10年経ったときに開けてもいいと言われていたタイムカプセルのようなもので、10年間鍵をかけたまま家で保管していたものでした。10年経過したのでその箱を開けてみたのですが、そこには父からの手紙も入れられていました。手紙には「はやく実家へ戻って来いよ、父より。」と一言だけ書かれていました。面と向かって言われたことのなかったこの言葉。和歌山に戻ってきて欲しいという父の本音を初めて知ったときでもありました。
 どんなときでも私の考えを最大限に尊重してくれていた父。人生の節目において「お前が行きたいところにいけばいい。」といつも私の背中をおしてくれていました。この世を去った今ではその心中を聞くことはできませんが、自分が父親となった今、改めて親父の思いをみつめ直すとともに、私自身もわが子の思いを最大限尊重することができる父親になりたいと思っています。

(小学校 1年雪組担任 石井 伸彦)