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親孝行・やってみなはれ

2023年03月03日

「ええんちゃう?」

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 高校65期生の皆様,ご卒業おめでとうございます。大学入試の結果を待っている人もいるとは思いますが,ひとまずみなさんの高校生活はこれで終わります。4月からはそれぞれが異なる環境で自己の研鑽に励んでくれることを期待しております。また,保護者の皆様方につきましても,お子様のサポート等,お疲れ様でした。彼ら彼女らが不安になったときも懸命に前を向けましたのは,保護者様方の応援があったからこそだと思います。今後も彼ら彼女らのサポートをよろしくお願いいたします。
 私も10数年前に「大学受験生」を経験いたしました。私自身も本校の生徒たちと同じように私学の高校に通っており,高校3年生の時には自身の志望大学をどうするか悩みに悩みました。元々教員志望でありましたので,そこがブレることはなかったのですが,どの大学を希望するかは,自分と周りとの成績を見比べながら,フラフラとしていました。そんなどっちつかずな態度をとっていた私に対して,両親からは“何も“言われることはありませんでした。この“何も“言われないというのは,決して無視をされていたということではなく,私の進路に対して「どんな道を選んでもサポートするよ」というものでした。当時の私にとって,こういった両親の「サポート」は大変助かりました。最終的には8月1日に希望大学を最終的に決め,勉強を加速させて行きましたが,そこでも,驚かれたものの,“何も“言わずにサポートをしてくれることを選んでくれました。
 最近の傾向としましては,手厚くすることが素晴らしい,考えるにしてもさまざまな機会を与えよう,という風潮にあります。それ自体を否定するつもりはありませんし,不安な受験生にとっては必要なことだとも思います。しかし,そればかりだとなかなか自分の頭で考える,自分の足でちゃんと立つ,ということが難しくなるのではないかと考えます。誰かに相談されたときに答えを与えようとしてしまうことは往々にしてありますが,そこを少し我慢して「ええんちゃう?」という言葉をかけてあげることも大事なのではないか,と近頃は思います。
 繰り返しになりますが,高校65期生の皆様,ご卒業おめでとうございます。皆様のご多幸をお祈りします。

(雲雀丘学園中学校・高等学校 高2学年担任 数学科 山田 裕介)