学園ブログ

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常務理事便り

2022年04月26日

Vol 5 大阪ガス(株)様を訪問

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 先日、大阪ガス様を中高の道北先生とともに訪問させていただきました。場所は大阪市此花区酉島にある大阪ガスエネルギー技術研究所です。
 中高ではここ数年、大学との連携や企業との連携を通じて、将来の実践的な学びに繋がっていく探究活動に注力しています。大阪ガス様は近畿のエネルギーを支える基幹産業として様々な分野の研究をされています。たまたま、私の知人が同社の役員をされていたのでその伝手を頼っての訪問でした。何か生徒たちの学びに繋がる連携は見つけられないだろうかとその知人に相談したところ、一度、研究所に来なさい、面白いものがあるかもしれないとアドバイスをいただいたのです。
 地球環境を維持するという観点からCO2削減は全世界的に喫緊の課題となっています。中でもエネルギーを扱う大阪ガス様はその点ではど真ん中の企業になります。

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「スペースクール」野外の実験施設
 見学させていただいたのは放射熱を利用して外気と比べて低い温度を保てる素材「スペースクール」です。これを塗布したテントや日よけ板は格段の遮熱効果があり、エアコンなどのエネルギー消費の削減や熱を持つ機器の温度を下げるために使われる空調エネルギーの削減に有効です。冬場によく聞く放射冷却の原理で、熱を宇宙空間にまで放出するのでテント中でも外気温より低くなることもあるそうです。



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分電盤の遮熱実験
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スペースクールを塗布したテント内の温度測定

 また、新聞でも訪問の数日後に発表されましたが、CO2と水素でメタンガスを合成する研究も力を入れて取り組まれています。同社が創業時より研究している触媒がキーになるとのことでした。これができればカーボンニュートラルの観点から画期的な発明になること間違いなしです。
 お話の中でこの研究所では将来役立つかどうかわからないが、面白そうなことは基礎研究として継続して取り組んでいるとのことでした。また、一人一人の研究者がアントレプレナー精神をもって取り組んでおられることにも感銘を受けました。
 こうした企業との連携を深め、新しいこと、面白そうなこと、だれもやっていないことに挑戦していく心意気を子どもたちには学んでもらいたいと思います。大阪ガス様との取り組みが実現することを願っています。