学園ブログ

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常務理事便り

2025年04月30日

Vol6 西郷さん、優勝 おめでとう

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 西郷さんと言っても明治維新の西郷さんではなく、女子プロゴルフの西郷真央プロ(23歳)のことです。彼女は全米女子プロゴルフ協会主催のメジャーといわれる5つの大会のうちの一つ、「シェブロン選手権」で見事に優勝され、マスコミでも大きく取り上げられました。日本人女子プロの全米メジャー制覇はこれで5人目(6回目)となり、樋口久子プロ以来、すべてのメジャーで優勝したことになりました。
 西郷プロはプロになって2年後には複数回優勝をされましたが、一時、突然のスランプに陥り、前途を危ぶまれました。しかし、そこから立ち直り、2024年にアメリカツアーに参戦し、この年の新人王を獲得する好成績を収めました。そして、今年、初優勝が今回のメジャー優勝だったのです。
 最近の女子プロのすごいところは世界最強のプロが集うアメリカ女子プロゴルフの舞台にプロ経験数年で飛び込み、成果を出すところです。西郷プロも2020年に日本ツアーデビューですから、日本でプレーしたのはわずか4年、5年目にはアメリカツアーに飛び込みました。最近の優秀な女子プロの代表的なキャリア形成のルートをたどっています。以前は何年も日本で経験し、知名度を上げた後で強者が集うアメリカに参戦するパターンが多かったように思います。しかし、最近の女子プロは日本ツアーである程度戦える手ごたえを感じ取れば、積極的に本場のアメリカツアーに挑戦しています。
 この逞しさを女子プロだけではなく、多くの日本の若者に持ってほしいと思います。日本に居ればそれなりの成績を残すことはできるかもしれませんが、「もっとうまくなりたい」、「もっと強くなりたい」、「世界のトッププロと伍して戦いたい」、というモチベーションが彼女たちを動かしていることは様々なコメントから推し量ることができます。賞金金額の多さからだけではありません。日本に居るよりはるかにハードな生活が待っていますし、成績を残せない可能性だって五分五分以上にあります。そんな中での挑戦ですので大変価値ある行動であり、今回の勝利なのです。
 世界が激変している中で日本人だけが国内に留まっていては、世界に置いてきぼりをくらい、相手にされなくなってしまいます。世界と伍して戦い、生き残っていくには小田実(作家、政治運動家)が「何でも見てやろう」を著した時の精神に立ち返る必要があります。
 「世界の舞台に挑戦したい」、「海外で学びたい」という生徒が本校からも数多く出てくることを期待しています。