学園ブログ

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常務理事便り

2023年03月03日

Vol 49 恐るべし、オープンAI チャットGPT

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 既に多くの方がご存知だと思いますが、オープンAIという米国企業が開発した生成型AI、チャットGPTを使って作文をしてみました。
 ひな祭りについて300字で書いて、と問いかけると数秒のうちに、ちゃんとした日本語で、まるで人間が書いたような文章を作ってくれました。ひな祭りの意義、歴史等を300字にコンパクトにまとめ、極めて読みやすく、わかり易い文章です。また、別に、自分が書いた文章の校正もさせてみると、これも数秒のうちに、間違った語句や間違った用法の修正、読みやすいように文章の手直しまでやってくれます。恐るべし、チャットGPTです。
 このAIが昨年11月末に公開されてたった2か月で一億人以上のユーザーを獲得したとのことですが、さもありなん、大いにあり得る話と思いました。海外の有名メディアの評価もその優秀性については「今までに公開されたチャットボットの中で一番良い」、「驚くほど詳細」、「まるで人間のような」という表現などに満ちています。
 私も、AIもついにここまできたか、更にどこまで進化していくのか、うすら寒い不気味さを感じました。将棋や囲碁といった、ルールがあり論理性を追求できる世界ではAIの優れた点を活用できても、文章作り等、人間の通常の活動に極めて深くリンクする創作領域においてはまだまだだろうと思っていました。驚異的なスピードでAIが進んでいることを面前に突き付けられた思いがしました。もちろん、すべてが正しい内容というわけではなく、誤情報もあたかも真実の様に語られていますので最終は自分でチェックすることが必要ですが、やがてはこうした点もクリアされるのではないかと思います。
 コンピューターが意志を持ち、人間と戦うというSF小説や映画がありましたが、コンピューターが自ら判断するということは、もはやSFではなくなりつつあるということを実感しました。ある種のシンギュラリティ―が既に起こってしまっているのではないかと思われます。こうした劇的な変化、劇的な進化はもっとスピードを速めていくでしょう。我々人間にとっては生活を豊かにする良い事のはずなのですが、暴走しだすことは十分に考えられます。想定外のあらぬ方向へ向かう可能性は否定できません。
 このような時代には人間の持つ生き方についての哲学や倫理観といったものが益々重要になってきます。AIを制御する側の「人間の質」が求められる時代にいよいよ突入したように思います。「社会に貢献できる、強い人創り」という創立の精神が益々、輝きを帯びてきています。