学園ブログ

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常務理事便り

2023年08月30日

Vol 25 あっぱれ、北口榛花選手

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 先日、ハンガリーのブダペストで開催された世界陸上選手権で、やり投げの北口選手が女子フィールド競技としては初めての金メダルを獲得しました。
 彼女は開催前から優勝候補の一人に挙げられていましたが、見事にその予想と日本国民の期待に応えた最高の結果を出されました。大変なプレッシャーの中、最終投擲とうてきで4位からの逆転優勝を勝ち取ったのでした。雄叫びを伴う、まさに渾身の投擲でした。最終投擲での逆転に場内は大歓声に包まれました。そして、優勝が確定した瞬間、場内は再び大歓声、私も思わず眼がしらが熱くなりました。本当に感動的な金メダルでした。

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 私は金メダル獲得の感動ともに、そこに至る彼女の努力に一層感動しました。TVを見ていて気付いたのですが、彼女が喜びを爆発させたとき、その感激を分かち合い、抱擁を繰り返した人たちはほとんど外国の人たちでした。日本人はほとんどいません。そこに彼女の努力のすごさを見ることができ、驚きを禁じ得ませんでした。
 少し調べてみると、大学時代は故障により思うような成果を上げられず悔しい思いも経験したようです。しかし、ここからが彼女の真骨頂でしょう。人を頼って、投擲大国、チェコのコーチと連絡を取り、懇願ののち、許可されて単身でチェコへ。もちろん言葉は話せませんから、現地でチェコ語を学びながら力をつけていったのです。周りにいるコーチやライバルもすべて外国人、もちろん一人暮らしです。いわば、退路を断った決断と努力です。こうした決断を選択できた逞しさや未知の環境に慣れ、外国人のコーチやライバルや隣人を仲間にしてしまうスケールと人間力には、メダル獲得以上に感心しました。金メダリストであり、グローバル人(地球人)に彼女は成長を遂げたのではないでしょうか。世界と伍して戦える力強いレジリエンス、外国人を含めて周りを包含していく人間力、こうした力は是非一人でも多くのひばりっ子に身に付けてほしいと思います。
彼女のあの人懐っこい満面の笑顔は、きっと世界中の多くの人に大いなる元気を与えてくれたのではないでしょうか。