学園ブログ

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学園長便り

2020年06月05日

「『9月入学』私はこう思う」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~

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学校の長期休校に関連して話題になっていた「9月入学」ですが、過日、安倍首相は「9月入学は選択肢の一つだが拙速に行うべきでない」とし、今年度来年度の導入を見送りました。
私はこの見送りは極めて残念な判断だと思います。以下、理由を述べますが、あくまで私の個人的な意見としてお読みいただければありがたく存じます。

政府や与党は「拙速にしない」ということを「9月入学」見送りの理由にしていますが、私はむしろ「拙速」こそ、いま取りうる最善の方策と考えます。理由は「学びの保証」からです。3か月の休校は多くの学習機会や楽しい思い出となる行事などを子供たちから奪ってしまいました。これを来年の3月までに取り返すことは容易ではありません。どうしても来年8月ごろまでの期間が必要になります。
ましてや感染拡大の第2波、3波が来ることも予想され、その対応も考えておくのならなおさらのことです。結果、「9月入学・(8月卒業)」は拙速どころか「当然の対応・必然の措置」となるのです

次に政府が提示した「9月入学」の第1案、第2案は複雑でわかりにくく、また特定の年次へのしわ寄せや、それに伴うコストアップが必要となります。これでは社会の合意を得にくく、わかりにくさから後回しということになってしまいます。

それに対しここに提案するのは、現在の枠組み(幼稚園から大学、さらには就職まで)は、そのままで、5か月間遅らせる(ずらす)という方法です。これだと今年の学習の遅れは取り返すことができます。また制度変更の説明や理解は容易になります。移行に伴う人員増、教室増などのコストアップもありません。唯一の課題は就学年齢が6歳から6歳5か月になることです。これは今後、6.3.3制の見直しや、幼少連携の課題として取り組んでいけばいいと思います。

私は、この方法が政府から提案されることなくまたマスコミ等でも一向に議論されないのは不思議に思えてなりません。この案は誰もが考える極めて常識的な方法です。

やるのは今しかありません。この時を逃せばもう何年もできないでしょう。拙速論や、慎重論は傍観者の無責任な意見。時期が来たらやるというのはもうやらないと同じことなのです。私は「災い転じて福となす」はまさにこの時に使う言葉だと思っています。
(2020.6.5)