学園ブログ

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常務理事便り

2023年01月06日

Vol 38 癸卯(みずのとう)の年、明けましておめでとうございます

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 関西地方はお正月三が日とも好天に恵まれました。皆様にはすこやかな新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 さて、暦の上では新年ですが社会情勢や生活環境がこの日を境に大きく変化していくことは基本的にはありません。昨年来の状況が変わることなく続き、解決が困難な難問が山積しています。コロナ禍然り、地球温暖化然り、ウクライナをはじめとする多くの地域での戦禍や人権侵害といった世界的な課題だけではなく、日本独自の課題として少子高齢化問題、財政健全化問題、社会保障制度改革、防衛問題、DX進展への対応等々、これまた、解決に向かわなければならない数多くの難問が我々の前に立ちはだかっています。人間が作った暦に関係なく時空間は継続し、これらの問題は我々や我々の社会に挑みかかってくるのです。こうした差し迫った状況である今、我々は何が出来るのでしょうか。何をすればよいのでしょうか。

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 1月5日の日経新聞のコラム「大機小機」にそのヒントが書かれているのではないかと思います。戦後初の首相、吉田茂の著書「日本を決定した百年」の中で吉田は灰じんに帰した日本再建の要は教育にあると確信していたとコラム筆者は述べています。識字率の高さなどから推定すると日本は江戸時代には既に世界に冠たる教育大国でした。そこで育った人材が近代化を急いだ明治に活躍し、明治が作った学制による国民皆学で成長した人材が復興に心血を注いで戦後を克服したのです。それらの時代と並んで、今ほど本来の教育が必要とされている時代はないのではないかと思われます。我々が目指すべき本来の教育とは何か、それは学園「創立の精神」に明確に鏤刻されています。
 我々学園に集う者全員が今一度、教育の大切さや創立の精神を銘肝しつつ学びの場に立ち、新鮮な気持ちで生徒児童に接することが、我々にとって新年の持つ意味になります。
 世の中の事象は途切れることなく変化し続けますが、心はそれに引っ張り込まれることなく、ある時、新たな思いを立志し、まい進することは可能です。そういう新年に皆様と共にしてまいりたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。