学園ブログ

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常務理事便り

2024年03月26日

Vol 53 SCHOOL とは

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 先日、本学園で理事会が開催されました。その席でD理事がおっしゃったことに大変な感銘を受けました。それは「スクール」という言葉についてでした。
 「スクール」とはもちろん英語で学校のことです。ではこの語源は何でしょうか。
実は古代ギリシャ語の「スコーレ」がそのもとになっています。ではスコーレとは・・
なんと、暇、余暇、自由な時間ということです。いわゆる勉強をする所という意味はありません。しかし、暇を持て余すという「暇」ではなかったようです。仕事や家事から解放されて、好きなことをして遊ぶ、自由な時間を自分の好きなことに没頭する、つまり主体的に時間を使い、精神を開放し、豊かにする時間だったのです。従って、古代ギリシャ人はその時に、外にあっては運動をし、体を鍛え、内にあっては語り合い、議論しあい、哲学を生み出し、人はどう生きるべきか等思索に費やし、結果として多くのことを学び合ったわけです。

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 このようにスクールの語源「スコーレ」は我々が立ち返るべき学校の本質を語っています。勿論、いわゆる知識を中心とした勉学は大切です。しかし、それと同等以上に、学校という空間の中で過ごす9年間、あるいは12年間は大いに「遊ぶ」べしなのです。自らしたいことに積極的に挑戦する、没頭する。「遊び」ですから成功も失敗もありません。しかし、思惑通りいくか、いかないかで工夫が生まれたり、仲間と協力したり、次の挑戦が生まれたりし、人は成長していきます。まさに「遊び」の中にはたくさんの人間的成長の種が含まれているのです。議論をしたり、語り合ったりすることは思索を深めつつ、自省につながり、人間的な深みにつながっていきます。本当に単純な「遊び」でも同じです。どんな「遊び」が楽しいのか、みんなと和気あいあいになれるのか、サイバー空間において一人で楽しむ「遊び」もありますが、どうしたらみんなが楽しめるかを考えるだけでも、大きな人間的な成長を促すはずです。仲間と同じ高揚感を味わえた時、心は豊かになりませんか?
 我々は今一度、雲雀丘学園の「スコーレ」についてしっかりと考えてみなければなりません。雲雀丘学園の真の価値とは積極的な自由奔放な「遊び」の中にあるに違いありません。