学園ブログ

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常務理事便り

2024年09月17日

Vol27 出汁(だし)のこと

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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小学校5年生、家庭科の授業で今年も甲南女子大の先生や学生さんたちによるアウトリーチの授業がありました。甲南女子大学の濱口教授は食生活学の専門家で味覚と食生活との関連などを研究されています。昨年初めて、和食の味のベースとなっている出汁の作り方等の授業していただきました。家庭科の好村先生も食については熱心に指導されており、特に、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている和食について伝承していく必要性を強く感じておられます。そのような背景もあり、今年も濱口先生に出汁についての授業をお願いしました。学生さんは夏休み期間中にもかかわらず、10名近い方がお手伝いに来てくれました。昆布、煮干し、鰹節から出汁を取り、おすましと味噌汁を作りました。更に、だしを取った後の昆布と鰹節を使って即席の佃煮を作り、持参した「おにぎり」とともに食しました。

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 学生さんがそれぞれのテーブルでサポートしてくれましたので、皆失敗することなく上手に出汁を取り、おいしいおすましやお味噌汁を作っていました。見学に行った私もご相伴にあずかりました。
 和食が世界文化遺産に登録された理由は、自然を尊重する日本人の心を表現したものであり、伝統的な社会的慣習として、世代を越えて受け継がれていることが評価されたためです。食材・素材の味を活かす、旬を大事にする、栄養のバランスが極めて良い、できるだけ無駄を作らない等、和食は日本の文化やその底流にある日本人の気質や伝統的な考え方を食生活の中に表現しているのです。子どもたちにはこうした食文化をしっかり伝えていかねばなりません。今回も使用したのは上記の素材のみであり、他には味噌と若干の塩と醤油のみです。それだけでうま味あるお味噌汁やおすましができるのですから和食のすごさを体感してもらえたのではないでしょうか。今はその価値を理解できなくても、大きくなれば和食のすばらしさに気づくことでしょう。
 甲南女子大学の濱口先生、学生の皆様、ありがとうございました!!