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常務理事便り

2025年09月02日
Vol25 驚きの再会!
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~
8月29日、30日と猛暑の中、第59回中高文化祭は無事に終了しました。高3生にとっては最後の熱い夏になったことでしょう。思い出深い文化祭になったでしょうか。
この2日間には学園関係者、保護者、卒業生、在園生等、約3000名の方が来園してくださいました。心から御礼申し上げます。
さて、来園いただいた数多くの皆様との出会いの中に、私にとっては思いもかけない再会がありました。2日目の一般開放日のことです。小学校高学年棟の1Fで講堂側の様子をうかがっていると2名の青年と本校の女子生徒が「成地先生?」とつぶやきながら、近づいてきました。「成地ですよ。」とお答えすると、女子生徒が「先生、問題児のK君です。」と微笑みながら青年のうちの一人を紹介してくれました。「K君?」一瞬わかりませんでしたが、すぐに気づきました。「エーツ!まさか、あのK君か?!」と思わず声をあげてしまいました。その時私の目の前に立って、立派に挨拶をしてくれた青年はあの“問題児”のK君だったのです。
彼は幼稚園から小学校に上がってくれたのですが、私が接したのは私が校長時、小学校6年の時でした。様々な問題行動があり担任も手を焼いていました。また、私も校長室でお母様と彼とをお呼びして面談に臨んだこともありました。その時の彼の怒ったような眼差しはよく覚えています。何か心に不安や不満を抱えているような鋭い目つきでした。結局彼は本校中学には上がらず他校に進学しました。
しかし、そのK君は立派に成長して、母校を訪問してくれたのです。私は内心、母校をよく思っていないのではないかな、と心配していました。しかし、彼は「先生方には大変、迷惑をかけました。すみませんでした。特に担任のK先生には大変ご迷惑をおかけしてしまい申し訳なく思っています。今日、お会いしてその気持ちを伝えたかったのですが、いらっしゃらなかったのが残念です。」あの時とは違った暖かい眼差しで私を見つめてそう言ってくれました。「その気持ちはK先生にしっかり伝えておくよ。」とお応えしました。その時の態度や様子には6年時のように何かと先生に反発したり、気に入らないとすぐに癇癪を起こしたりするような気配は微塵も感じられませんでした。
卒業されてから6年目を迎え、彼もまた、高校3年生になっています。将来像もしっかりと描いているようでした。6年時には想像もできないくらい周りに気遣いができ、素直な気持ちを伝えられる人間に彼は見事に成長していました。そして、その横には”問題児”であっても、いつも寄り添ってくれる仲間もいたようです。本当に人は成長するものです。
どんな子であっても、立派に成長するか可能性は必ずある、ということを確信する再会でした。
K君!懐かしさを引っ提げていつでも良いのでまた、母校を訪問してください。母校はいつも君を待っていますよ。