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常務理事便り

2025年11月25日
Vol33 求めるということ
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

前回、全日本女子学生剣道優勝大会(女子・団体戦)のことを書きました。その1週間後、11/16に大阪で全日本学生剣道優勝大会(男子・団体戦)がありました。剣道の名門、国士館大学が見事に2連覇を成し遂げました。緒戦はきわどい勝負もありましたが、最後には地力の差を見せて勝ち上がり、筑波大との決勝戦は、大将戦に持ちこまれたものの圧勝といってよい勝ち方でした。中でも主将で大将を務めた中田選手は素晴らしい活躍でした。試合がもつれた大将戦や代表者戦のすべてで勝利し、2連覇に大きく貢献しました。
優勝インタビューで彼は次のように答えたようです。「朝の練習開始前の午前6時ころから自主的に竹刀を振っていると、次第に他の選手も姿を現すようになった。その結果、部内の結束が強まり、最高の形で花が開いた。」この言葉には様々な意味を見出すことができます。私は「自主的に竹刀を振っていると」に注目しました。文面から察すると、朝稽古は6時30分か7時には始まるのでしょうが、少なくともその30分前には準備を終え、自主的に練習を繰り返した、ということになります。ここに「求道の心」があります。
私の師匠はしょっちゅう「求める稽古をしないと上達は出来ない。お仕着せの稽古をこなしているだけでは力にならない。どんなに苦しくても求めて稽古してこそ、力になる。」と求めることの重要性を耳にタコができるほどおっしゃっていました。
また、こんなこともありました。11月20日、21日には日本一難しいと言われる剣道八段審査がありました。結果から言うと、まさに超難関でした。約2250名が受審され、合格者はわずかに14名、合格率は0.6%でした。この難関の審査にわたくしの知り合いのM先生が見事に合格されました。合格者のうちの最年長76歳です。この方の求める姿勢には目を見張るものがあります。大阪城内に「修道館」という道場があります。ここにM先生は月に1回か2回来られていました。修道館での稽古時間はわずかに30分。しかも多くの方が稽古をつけてもらいたい先生のところに並びますので、首尾よく稽古ができても二人の先生方に掛かるのが目いっぱいでしょう。稽古時間にして10分程度、あとは順番待ちの時間となります。このわずか10分程度の稽古のために、M先生は住まれている金沢からわざわざお越しになり、稽古を終えた後、最終列車で日帰りされていました。この「求める心」には感服しかありません。
これらの2つのことからもわかることは、お仕着せや決められたことをするだけでは大きな成長やハッとするような成果は得られない、ということではないでしょうか。自ら求めて、苦心し、工夫して初めて道は拓かれるということでしょう。「求める心」―心に留めておきたい言葉です。
