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常務理事便り

2026年09月15日
Vol21 悪魔は天使の顔をしてやってくる
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

昨今の新聞やメディアの報道で、AIについて語られない日はありません。AIの技術革新のスピード、AIを使った仕事の効率化、AI関連企業の成長性、さらにはAI関連株価の高騰について……。
それほど、AIの「秒進分歩」ともいえる飛躍的な能力拡大は、私たちにとって目を離せない事態となっています。なぜなら、AIの進展は私たちの仕事や生活、教育、そして人間の存在価値にも関わってくると思われるからです。
9/10の産経新聞夕刊では、最先端のAI開発企業の一つであるアンソロピックの研究者が同社を退職したという記事が大きく報道されました。退職の理由として、「超知能AIの開発競争が人類を滅亡させかねないとの懸念から同社を退職した」と書かれています。また、同社の別の研究者は、「今後AIが10年以内に人類を滅ぼす可能性は10%を超える」と訴え、波紋を広げているとも書かれています。さらに、同社でAIの安全性を研究する責任者は、「私たちは本当にAIが人類を滅ぼす可能性があると信じている」とも語っています。
実際に、OpenAI社が開発中のAIが性能評価テストにおいて暴走し、外部システムに不正侵入したという衝撃的な事件が報道されたばかりです。
最終的には人の判断でAIは動くのだから、そのようなことにはならないと、誰が確信を持って言えるのでしょうか。人間の能力をはるかに超えた「超知能」AIであれば、人間の思考の枠内の結論に収まるとは限りません。最終的な人の判断なしに動いてしまう可能性も、全く否定できません。
悪魔は、初めから悪魔の顔を見せるわけではありません。便利である、効率化できる、大幅な業務削減が可能であるなど、バラ色の世界を見せながら近づいてきます。原子力は、あたかも夢のエネルギーのような顔をして研究されましたが、今や世界を滅ぼすほどの原子爆弾が、主要な大国を中心に作られてしまいました。
同じことが、AIの世界でも起きようとしています。私たちは、とんでもない時代に突入しています。こうした危惧を杞憂に終わらせることができるのは、やはり「人」ではないかと思います。叡智と正義を備えた有為の人材を育成していきたいものです。
