学園ブログ

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常務理事便り

2026年10月06日

Vol.23 雨中の激闘が教えてくれたこと

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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10月1日から4日まで、名門・宝塚ゴルフ倶楽部で第59回日本女子オープンゴルフ選手権が開催されました。最終日は、ベテランの申ジエ選手と今年度の全英女子オープン覇者・桑木志帆選手による雨中の激闘でした。NHKで放送されたため、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。会場が近いこともあり、現地で固唾をのんで見守った方もいらっしゃったかもしれません。
最終盤のバックナインでバーディーを重ね、3打差を追いついてプレーオフへ持ち込んだ申選手。その集中力と粘り強さは圧巻でした。もちろん、桑木選手のプレーも見事でした。堅実にバーディーとパーを重ね、2アンダーの68。この日2番目の好スコアです。しかし申選手は、この日のベストスコアとなる66をマークし、ついに追いつきました。
プレーオフを含め、申選手は何度も苦しい状況に追い込まれました。深いラフやバンカーにつかまり、「万事休す」と思わせる場面もありました。それでも、距離のあるパーパットを沈め、バンカーからパーを拾うなど、驚異的なリカバリーを連発。どんな状況でも、決して諦めませんでした。プレーオフの最初の2ホールは、申選手が押されながらも、なんとか引き分けに持ち込む展開。そして迎えた3ホール目、両選手はともに約5メートルのパットを残しました。桑木選手のパットは、わずかにショート。一方、申選手は迷いなく打ち切り、ボールを見事にカップへ沈めました。この強気の一打が、激闘に終止符を打ったのです。

この試合を見ながら、男子プロの第13回日本プロゴルフマッチプレー(1987年)で繰り広げられた、高橋勝成選手と尾崎将司選手の決勝を思い出しました。36ホールを終えても決着せず、勝負は38ホール目へ。最後は高橋選手が制しました。この名勝負を機に、高橋選手は「マッチプレーの鬼」と呼ばれるようになったといいます。今回の一戦も、それを彷彿とさせる、心に残るゴルフでした。

今回、心に残ったのは、二人の選手のプレーだけではありませんでした。
申選手は、日本で15年間、ツアーメンバーとしてプレーしています。今回もティーグラウンドや最終ホールで帽子を取り、会釈をして感謝を表していたと報じられました。礼儀を重んじ、感謝を忘れない姿勢は、プレーと同じように印象的です。多くの子どもたちにも、ぜひ見習ってほしいと思います。
そして、敗れた桑木選手の姿勢も立派でした。申選手をたたえたうえで、「悔しかった。気持ちが足りなかった」と、自らの敗因を率直に振り返っています。
ほんのわずかな勝利への執念と、思いの強さ。その差が結果を分けたことを、桑木選手は痛感したのでしょう。物事の成否を分ける最後の一線は、技術だけではなく「気持ち」なのかもしれません。最後まで諦めず、ここぞという場面で一歩踏み出せるかどうか。

ゴルフに限らず、私たちの日々の生活でも、最後の一歩が結果を左右することがあります。もう無理だと思ったときに、あと一度だけやってみる。迷ったときに、思い切って一歩踏み出してみる。そうした気持ちが、思わぬ結果につながることもあるのではないでしょうか。今回の雨中の激闘を見て、申選手の最後まで諦めない姿勢と、桑木選手の「気持ちが足りなかった」という言葉を、私たちも大切に受け止めたいと思いました。